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変形増大係数とは?1分でわかる意味、木造、コンクリート、鉄骨の値

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変形増大係数は、長期荷重により変形が増大すること(クリープという)を想定して、たわみ量を割増す係数です。変形増大係数は、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリートなどで値が規定されています。今回は、変形増大係数の意味、各構造による変形増大係数の値、片持ち梁や片持ちスラブと変形増大係数の関係を説明します。


※クリープまたは長期荷重については下記が参考になります。

コンクリートのクリープってなに?その原因と、変形増大係数の関係

長期荷重・短期荷重

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変形増大係数とは?

変形増大係数とは、クリープにより変形が増大することを見越して、あらかじめたわみ量を割増す係数です。


建築物ができあがった当初は大丈夫でも、時間と共に変形が増大すると大変ですよね?


ですから、構造計算では変形増大係数を考慮し、クリープ後の変形が、所定の変形角以内になることを確認します(法律では1/250以下)。


さて、梁は荷重が作用するとたわみます。これを取り除くと、変形も無くなります。このような変形を「弾性変形」といいます。

弾性変形とクリープ後の変形

しかし、実際には荷重が取り除かれることはありません。長期荷重は、常に作用する荷重なので、梁やスラブは常に「変形している状態」です。


長期荷重が作用し続けると、その期間に応じて、変形が増大する現象が起きます。これが「クリープ」です。


※クリープについては下記が参考になります。


弾性変形をδs、クリープ後の変形をδyとします。このとき、

の関係です。δsに変形増大係数を乗じて、δyの値に近づけます。変形増大係数をαとすると、下式の関係になります。

各材料の変形増大係数

変形増大係数は、各材料に応じて値が異なります。下表に整理しました(建築物の構造関係技術基準解説書p.326を参考に作成)。

構造の形式 変形増大係数
木造 2
鉄骨造 1(デッキプレート版は1.5)
鉄筋コンクリート造 床板 16
はり 8
鉄骨鉄筋コンクリート造 4
アルミニウム合金造 1
軽量気泡コンクリートパネルを用いた構造 1.6

上表より、最もクリープが起きやすい材料が鉄筋コンクリートです。逆に鉄骨造は、全くクリープしないと分かります。


なお鉄筋コンクリートは、梁およびスラブで値が異なります。スラブの方が、よりクリープが起きやすい構造部材です。※下記の記事も参考にしてください。

コンクリートのクリープってなに?その原因と、変形増大係数の関係


※16および8は、「鉄筋コンクリート造」の値です。「コンクリート」の値ではないので注意してください。コンクリートは鉄筋が入っていない分、よりクリープの影響は大きいです。


軽量気泡コンクリートパネルを用いた構造とは、ALCなどです。ALCパネルは、床として使うことは少ないですが、屋根には利用します。変形増大係数を忘れずに考慮しましょう。


「変形増大係数」は、平12建告1459号に規定されます。各自、確認してみましょうね。

変形増大係数とたわみの検討

簡単な問題を解いてみましょう。


RC梁の変形増大係数は「8」です。よって、クリープ後の変形は

です。変形角は


なので結果はNGです。1/250以下となるよう部材を大きくする必要があります。

片持ちスラブと片持ち梁の変形増大係数

変形増大係数は、片持ちスラブと片持ち梁で特別な規定はありません。但し、片持ち部材は静定構造なので下記の配慮が必要です。




片持ち部材は規定が無くても、変形量および応力度を一般部材より小さくしたいですね。

まとめ

今回は、変形増大係数について説明しました。鉄骨造は特に配慮不要ですが、鉄筋コンクリートは床板で弾性たわみの16倍、梁で8倍です。大きな数値なので、忘れずに考慮したいですね。

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