この記事の要点
一次設計は、各部材の許容応力度計算及び、屋根葺き材の計算の総称です。
損傷による性能の低下を生じないことが目的の構造計算です。
この記事では、一次設計とは何か、二次設計とどう違うのか、許容応力度計算とどう関係するのかを整理します。
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一次設計は、各部材の許容応力度計算及び、屋根葺き材の計算の総称です。
損傷による性能の低下を生じないことが目的の構造計算です。
似た用語で、二次設計があります。
今回は、一次設計の意味、震度との関係、二次設計との違い、一次設計と許容応力度、層間変形角との関係について説明します。
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一次設計は、下記の構造計算のことです。
各部材の長期、短期の応力度等の計算を「許容応力度計算」といいます。
屋根ふき材とは、屋根材のことです。
例えば、折板屋根の場合、折板が屋根葺き材です。
屋根葺き材は地震力を負担する構造材ではないですが、風圧や地震、積雪により脱落しないことが規定されています。
使用上の支障の防止の確認は、「長期荷重時のたわみ」に関する規定です。歩いて床が振動すると使いづらいですよね。
屋根葺き材の検討(第39条)は、耐久性関係規定に含まれます。耐久性関係規定は下記の記事が参考になります。
「一次設計」という用語なので、「二次設計」もあります。※規模の大きな建物、複雑な建物は一次設計および二次設計を行います。※一次設計と二次設計の違いは後述します。また二次設計については下記の記事が参考になります。
二次設計とは?一次設計との違い・対象建物の条件と保有水平耐力計算の流れ
つまり、一次設計は構造計算を行う全ての建築物で実施されます。
一次設計は、日常的に作用する荷重や外力、稀に発生する荷重、外力に対して構造耐力上主要な部分に損傷が生じないことを目的とする計算方法です。
前述したように、一次設計では許容応力度計算を行います。許容応力度計算とは、下記を確認する計算方法です。
※許容応力度計算の詳細な説明は下記が参考になります。
許容応力度計算を行うことで、一次設計の目的をほぼ満足するので、「一次設計=許容応力度計算」というイメージが浸透しています。
一次設計と二次設計は、構造計算の内容および目的が違います。詳細は下記が参考になります。
二次設計とは?一次設計との違い・対象建物の条件と保有水平耐力計算の流れ
両者の違いを下記に示します。
・一次設計 日常の外力、稀に生じる外力に対して、構造部材が損傷を生じないこと
・二次設計 極稀に生じる外力(主に大地震)に対して、崩壊・倒壊などしないこと
・一次設計 許容応力度計算
・二次設計 保有水平耐力計算
一次設計は、稀な地震が起きても、その後建物が問題ないなく使用できることが目的です。二次設計は、極稀な地震が起きた時、損傷はしますが「倒壊・崩壊」が起こらず、人命が守られることを目的とします。
一次設計は長期荷重および稀に発生する外力に対して構造計算をします。稀に発生する地震力とは、一般的に中地震といいます。中地震と震度は関連付けることが難しいですが、
と考えることも可能です(明言はしません。震度と加速度の関係は、周期により大きく変わります)。※中地震については下記の記事が参考になります。
一次設計は建築基準法施行令82条各号、82条の4に該当します。一方、層間変形角の確認は、令82条の2で、これは二次設計に該当します。
よって一次設計では、層間変形角の確認は必要ありません。層間変形角が必要な建物は、計算ルートにより判断します。ルート1は層間変形角の確認は不要、ルート2以上から検討します。※構造計算ルートについては下記の記事が参考になります。
根拠・参考
実務では、設計条件・仕様書・適用する規準により確認してください。
混同しやすい用語
二次設計
極稀に生じる大地震に対して倒壊・崩壊しないことを目的とする計算で、保有水平耐力計算が該当する。
一次設計は稀な地震に対して損傷を生じないことを目的とする点が異なる。
許容応力度計算
一次設計の中心となる計算方法で、応力度が許容応力度以下であることを確認する。
一次設計とほぼ同義で使われるが、一次設計には屋根葺き材の計算や使用上の支障の防止確認も含まれる。
中地震
一次設計で想定する稀に発生する地震力のこと。
震度5弱〜5強程度に相当し、大地震(二次設計で想定)とは発生頻度・規模が異なる。
| 項目 | 一次設計 | 二次設計 |
|---|---|---|
| 対象地震 | 中地震(震度5強相当) | 大地震(震度6〜7相当) |
| 設計用震度Co | 0.2 | 1.0 |
| 目的 | 損傷を生じさせない | 倒壊させない |
| 確認内容 | 応力度チェック(弾性範囲) | 保有水平耐力・靭性確認 |
今回は一次設計について説明しました。一次設計の意味、計算方法、震度との関係が理解頂けたと思います。一次設計の目的や、二次設計との違いも併せて覚えておきましょう。
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