この記事の要点
存在応力とは、部材に生じている応力のことです。
「存在している応力」だから、存在応力です。
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存在応力とは、部材に生じている応力のことです。「存在している応力」だから、存在応力です。単に「応力」ともいいます。基準や各種規準書では、用語の定義を明確にするため、「存在応力」と書いてあります。今回は、存在応力の意味、鉄筋コンクリート梁との関係、存在応力と許容耐力との関係について説明します。※応力の種類については下記の記事が参考になります。
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存在応力とは、部材に生じている応力のことです。存在している応力なので、存在応力です。下図のように、単純梁に集中荷重が作用しています。スパンがL、荷重がPなので、曲げモーメントはPL/4ですね。曲げモーメントは応力の1つなので、存在応力は「PL/4」です。
また、継手や接合部などは「存在応力での設計」「母材耐力での設計」という考え方があります。※母材については下記の記事が参考になります。
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普通、接合部は保有耐力接合です。保有耐力接合は、母材耐力を割増した耐力以上の接合部とします。※保有耐力接合は下記の記事が参考になります。
接合部や継手が壊れることは、架構にとって致命的です。それを防ぐために、接合部は母材以上の耐力で設計します。母材は存在応力に対して設計されるので、接合部には母材耐力以上の力は伝わりませんね。
存在応力と許容耐力の違いを下記に整理しました。
許容応力度設計は、部材に生じる存在応力を、許容耐力以下にします。下式です。
なお、許容耐力は安全率が考慮されています。※許容応力度設計(計算)は下記の記事が参考になります。
鉄筋コンクリートの梁の配筋は、下記の規定があります。
鉄筋コンクリート梁の引張鉄筋の断面積は、上記の小さい方の数値以上とします。存在応力が大きければ、その分、鉄筋量も増えます。
上記の規準は、鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説に書いてあるので、確認してくださいね。
根拠・参考
実務では、設計条件・仕様書・適用する規準により確認してください。
混同しやすい用語
存在応力
部材に実際に生じている応力のこと。荷重により発生する曲げモーメント・せん断力・軸力などがこれにあたる。
許容耐力
部材が負担できる最大の応力。安全率が考慮されており、許容応力度設計では「存在応力≦許容耐力」を満たすよう設計する。
母材耐力
接合部や継手の設計に用いる基準となる部材(母材)の耐力。接合部は母材耐力を割増した耐力以上となるよう設計する(保有耐力接合)。
存在応力を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 存在応力 | 部材に実際に生じている応力(曲げモーメント・せん断力・軸力など) | 荷重条件により算定 |
| 許容応力度設計との関係 | 存在応力≦許容耐力を満足させる | 許容耐力には安全率が含まれる |
| 接合部・継手の設計 | 存在応力ではなく母材耐力を基準に設計(保有耐力接合) | 接合部崩壊を防ぐため母材耐力以上の耐力を確保 |
今回は存在応力について説明しました。意味が理解頂けたと思います。存在応力は、部材に生じている応力(存在する応力)です。許容応力度計算では、存在応力と許容耐力を使うので理解してください。また、接合部や継手は、存在応力で設計せず、母材耐力で設計することも覚えてくださいね。※保有耐力接合は下記が参考になります。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
存在応力に関する問題は建築士試験の構造分野で出題されます。定義と計算の両面から理解しておきましょう。
存在応力の定義・適用条件・計算式は建築士試験の構造分野で出題される基本事項です。
用語の定義を正確に理解したうえで、関連する規準・法令との関係を整理することが大切です。