この記事の要点
横架材とは、梁・桁・胴差しなど、建築物の水平方向に配置される主要構造部材の総称です。
建築基準法では「横架材」として規定されています。
横架材の欠き込みは、横架材の断面に悪影響を与えます。
欠き込みの深さは横架材の垂直面の1/3以下とする必要があります(建基法施行令)。
横架材の欠き込みは耐力上支障のある欠き込みを避けることが規定されており、梁は横架材の一種である。
この記事では、横架材とは何か、梁とどう違うのかを整理します。
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横架材とは、「はり、けたその他これらに類するもの」です。建築基準法施行令で、明確に用語の定義がされています。実務では、横架材でなく普通は「はり」といいます。
ただし法文では横架材と明記されることも多いので、今回は横架材の意味、横架材の種類、横架材と欠き込みの基準、梁との違いについて説明します。
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横架材とは、建築基準法施行令第一条一項三号(用語の構造耐力上主要な部分の定義)に、
と定義されています。横架材=梁と覚えておけば大きな間違いはありません。
梁とは水平方向に設置される構造部材です。下図をみれば、どれが横架材かすぐにわかるでしょう。
※梁については、下記が参考になります。
柱・梁とは?役割の違い・柱梁接合部・剛比の計算をわかりやすく解説
また法文の検索は、電子政府の総合窓口(e-Gov)が便利です(建築基準法の全文が検索可能、政府のHPなので信頼性高)。
http://www.e-gov.go.jp/
横架材の種類は、「はり、けた、その他これに類するもの」なので、水平方向に設置する構造部材が該当すると考えます。例えば、下記の種類などがあります。
・大梁
・小梁
・母屋
・根太
・垂木
木造の架構は、各部材の名称が多いですが、「水平方向のはり部材=横架材」と覚えておけば間違えにくいです。
横架材は、原則欠き込みが禁止です。施行令では、下記が明記されています。
構造耐力上支障のある欠き込みとは、断面欠損のことです。
下図をみてください。左側の梁を、欠き込みしたものが右図です。
梁は、普通下向きに力が作用します(重力の影響)。力を加えると、下側が開こうとするのが何となくイメージできますよね。
つまり、下側に欠き込みのある状態で力を加えると、梁はすぐに折れます。よって横架材の欠き込みは原則禁止です。ただ、仕方なく欠き込みが必要になる場合、耐力低下を見込んで設計することも認められています。
欠き込みによる断面性能の低下率は下記です。
・断面の1/4以下を欠き込み 元断面の0.6倍
・断面の1/3以下の欠き込み 元断面の0.45倍
欠き込みをすると耐力が半分以下まで低下します。注意しましょう。
木造では、横架材間の垂直距離と、柱の寸法に規定があります。「柱の小径」といって、
のように、横架材間の垂直距離(ザックリ言うと階高)に対する、柱寸法の比率が明記しています。例えば
・横架材間の垂直距離=3000mm
・柱の小径の比率=1/20
・柱の最少寸法=3000/20=150
です。柱の小径については、下記に詳細に書いています。
横架材とは、「はり、けた、その他これに類するもの」でした。
つまり、大きな枠組みとして横架材があって、そのカテゴリーの1つが梁と考えてください。
混同しやすい用語
横架材(おうかざい)
梁・桁などを含む水平方向の構造部材の総称。
建築基準法施行令に定義がある上位概念。
梁(はり)
横架材の一種。
鉛直荷重を支える水平部材で、横架材というカテゴリーの中に含まれる下位概念。
横架材を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 定義(建築基準法) | はり・けたその他これらに類するもの | 施行令第一条一項三号 |
| 欠き込み規定 | 中央部付近の下側への耐力支障欠き込みは禁止 | 断面1/4以下で0.6倍・1/3以下で0.45倍 |
| 梁との違い | 横架材は上位概念、梁は横架材の一種 | 大梁・小梁・母屋・根太・垂木なども含む |
今回は横架材について説明しました。横架材は、梁と考えればよいでしょう。建築基準法に具体的な定義があるので、一度目を通してくださいね。法令集をお持ちでない方は、e-govで検索すると同様の法文が読めます。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
一級建築士試験では「横架材」という用語そのものより、欠き込みの制限や梁・桁との関係が問われます。
「横架材=梁を含む水平部材の総称」と頭に入れ、欠き込みが構造耐力上支障のある場合は原則禁止という規定とセットで覚えておきましょう。