建築学生が学ぶ構造力学

建築学生が学ぶ構造力学
  1. HOME > 構造力学の基礎 > 柱梁接合部とは?RC造のせん断耐力・帯筋間隔・鉄骨造との違い

柱梁接合部とは?RC造のせん断耐力・帯筋間隔・鉄骨造との違い

この記事の要点

柱梁接合部とは、柱と梁が交わる部分で、地震時に大きなせん断力が集中するため高い耐力が必要です。

接合部の帯筋間隔は柱部材内より密に設定する必要があり、コンクリートの充填性確保も重要です。

この記事では、柱梁接合部とは何か、せん断耐力はどう求めるのか、帯筋間隔はどのような基準があるのかを整理します。

【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット


柱梁接合部は、柱と梁が交わる部分(接合部)をいいます。柱梁接合部は、柱・梁以上に耐力が必要です。

今回は柱梁接合部の意味、設計用せん断力、耐力、帯筋間隔、鉄骨造の柱梁接合部について説明します。

柱・梁とは?役割の違い・柱梁接合部・剛比の計算をわかりやすく解説

100円から読める!ネット不要!印刷しても読みやすいPDF記事はこちら⇒ いつでもどこでも読める!広告無し!建築学生が学ぶ構造力学のPDF版の学習記事

柱梁接合部とは?

柱梁接合部は、柱と梁が交わる部分です。下図をみてください。

柱梁接合部

※鉄筋コンクリート造は鉄骨造と比べて、見た目で「接合部」と判別しにくいですが、「柱と梁が交わる部分」と覚えておけば大丈夫です。

鉄筋コンクリート造の柱梁接合部

鉄筋コンクリート造は、柱梁接合部の設計により梁幅や梁せいが決定することがあります。柱梁接合部は下記を確認します。


Qdは柱梁接合部の設計用せん断力、Qaは柱梁接合部のせん断耐力です。Qdは、鉄筋の本数や強度が高いほど「大きくなる」ため、引張鉄筋を沢山入れた梁は注意が必要です。

設計用せん断力の算定

柱梁接合部の設計用せん断力は、下式より算定します(両端の梁が降伏する場合)。※柱の両端が降伏する場合は別式による。


αは割増係数で1.1、Tは梁主筋とスラブ筋の材料強度に基づく引張力、


T'は圧縮側の梁主筋の圧縮力とコンクリートに作用する圧縮力の合計、Qcは上下柱のメカニズム時のせん断力です。


※式の詳細は、建築物の構造関係技術基準解説書または鉄筋コンクリート構造計算基準・同解説がおすすめです。

さて、上式より設計用せん断力は下記のポイントに注意してください。


例えば、経済設計をするため梁せいを小さくすると、柱梁接合部の検討で厳しく、「梁幅を広げる」「柱せいを大きくする」「ハンチをとる」などの対応が必要です。

スポンサーリンク

せん断耐力の算定

柱梁接合部のせん断耐力は、詳細な式は明記しませんが下記のポイントを覚えてください。


接合部のせん断耐力は、梁又は柱の幅、せい、Fc(設計基準強度)を大きくするほど、大きな値になります。


よって、接合部の検討でNGになる場合は、意匠設計に影響のない範囲で上記の対処をします。


また接合部の形状により、せん断耐力は大きく変わります。下図をみてください。これは十字形状の接合部です。最も柱梁接合部の耐力が大きい形状です。

十字形状の柱梁接合部

下図がト形形状の接合部です。側柱の中間階の梁はこの形状ですね。十字形状より耐力が落ちます。

ト形形状の柱梁接合部

下図が最下階や最上階の側柱にできる接合部形状です。この形状が最も耐力が小さくなります。ですから、屋上の梁で端部に鉄筋がたくさん入る場合、柱梁接合部に注意します。

最上階の側柱にできる接合部形状

帯筋間隔

柱梁接合部の帯筋間隔は下記です。


一般部の帯筋比は100ピッチとしますが、上記の規定より柱梁接合部の帯筋間隔は150mmとします。

鉄骨造の柱梁接合部

鉄骨造の柱梁接合部は、保有耐力接合とします。また、ダイアフラムという部材と柱、梁を突き合わせ溶接することで一体化します。


ダイアフラムについては下記が参考になります。

ダイアフラムはなぜ必要か?覚えるべきたったの3つの種類と特徴

混同しやすい用語

設計用せん断力(Qd)

柱梁接合部に作用するせん断力で、梁主筋の材料強度や引張力から算定する力です。

柱梁接合部のせん断耐力(Qa)が接合部が抵抗できる上限値であるのに対して、設計用せん断力(Qd)は実際に作用する力であり、Qd≦Qaを満たす必要があります。

鉄骨造の柱梁接合部

鉄骨造では保有耐力接合としてダイアフラムを介した突き合わせ溶接で一体化する接合部です。

鉄筋コンクリート造の柱梁接合部がコンクリートと鉄筋が一体となって力を伝達するのに対して、鉄骨造の接合部は溶接やボルトで鋼材同士を接合する形式です。

柱梁接合部を整理した表を示します。

項目内容備考
設計用せん断力(Qd)α(T+T'-Qc)で算定、α=1.1梁端主筋が多いほど大きくなる
帯筋間隔150mm以下、かつ一般部の1.5倍以下一般部100mmピッチに対し接合部は150mm
接合部形状と耐力十字形>ト形>端部形状の順に耐力が低下最上階・最下階の側柱接合部が最も不利

まとめ

今回は柱梁接合部について説明しました。柱梁接合部は母材以上に重要な部分です。


鉄骨造なら保有耐力接合が必要です。鉄筋コンクリート造の場合、接合部の設計を行いましょう。


計算式を暗記する必要はないのですが、設計用せん断力と耐力のポイントは理解したいですね。

【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット

この記事の内容を○×クイズで確認する

この記事で学んだ内容は、無料の○×問題集でも確認できます。

意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

ゼロ所長の構造力学問題集で確認する

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

▼用語の意味知らなくて大丈夫?▼

建築学生が学ぶ「構造力学」の用語集

▼同じカテゴリの記事一覧▼

▼カテゴリ一覧▼

▼他の勉強がしたい方はこちら▼

建築構造がわかる基礎図解集

【無料】ゼロ所長が解説!建築士試験の構造を効率よく学ぶ

・試験に出るポイントをわかりやすく解説

・今すぐnoteで学ぶ ⇒  ゼロから学ぶ建築士試験の構造

わかる1級建築士の計算問題解説書

計算の流れ、解き方がわかる!1級建築士【構造】計算問題解説集

わかる2級建築士の計算問題解説書!

【30%OFF】一級建築士対策も◎!構造がわかるお得な用語集

建築学生が学ぶ「構造力学」の用語集
pdf版の学習記事

プロフィール

建築の本、紹介します。▼

すぐにわかる構造力学の本

同じカテゴリの記事一覧

Topへ >>

  1. HOME > 構造力学の基礎 > 柱梁接合部とは?RC造のせん断耐力・帯筋間隔・鉄骨造との違い
  2. 1級の過去問(計算)解説
  3. わかる建築構造の用語集・図解集
  4. 1頁10円!PDF版の学習記事