この記事の要点
鉄骨構造の接合部に使われる「ナット」は、ボルトと対になる締結部品です。
高力ボルト接合ではナットの回転量で締め付け力(導入張力)を管理する「回転法」が使われます。
サイズ表記「M16」の読み方や向きの正誤(フランジ面との当たり)も現場で混乱しやすいポイントです。
このページではナットの種類・寸法の読み方・締め付け管理方法と、ボルトとの組み合わせ方を解説します。
高力ボルト接合ではナット回転法またはトルクコントロール法のいずれかで締め付け、正しい向きで使用することが重要である。
この記事では、ナットとは何か、ボルトとどう違うのかを整理します。
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ナットとは、ボルトを締めつける金具の1つです。
ナットは、ボルト、ワッシャー(座金)と一緒に使います(ナットだけでは意味がない)。
今回はナットの寸法、絞め方、ボルトとの違い、ナットの向き、使い方について説明します。
※ボルト、ワッシャーについては、下記が参考になります。
中ボルトとは?1分でわかる意味、規格、強度区分、戻り止め、高力ボルトとの違い
ワッシャー(座金)とは?規格・寸法と向き・順番・スプリング座金との使い分け
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ナットとは、ボルトを締めつける金具の1つです。下図をみてください。板を締め付けるとき、ボルトと座金、ナットが必要です。ナットを時計回りに締め付けることで、接合部が一体化されます。
高力ボルトの締め付けでは、ナット1つですが、アンカーボルトの締め付けでは緩み止めとして、ナットを二重にします。下記が参考になります。
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ダブルナットとは?意味、締め付け手順、スプリングワッシャーとの違い
ナットの寸法を下記に示します。図の記号を参照しながら寸法を確認してくださいね。
建築物の接合部は、主に高力ボルト接合とします。高力ボルトは、ナットの締め方(ボルトの締め付け方)が下記の2通りあります。
・ナット回転法
ナット回転法とは|一次締め・120°本締め手順と高力六角ボルトの施工
・トルクコントロール法
トルクコントロール法とは?1分でわかる意味、手順、トルク値、本締め
ナット回転法は、ナットの回転角度を制御することで所定の締付力を与える方法です。トルクコントロール法は、所定の締付力をトルクで制御する方法です。最近では、施工精度が良いトルクコントロール法が主流です。
但し六角高力ボルト(F10T)では、ナット回転法しか使えません。※高力ボルトについては、下記が参考になります。
高力ボルトとは?読み方・種類(F10T・S10T)・規格・摩擦接合の特徴
ナットには正しい向きがあります。この向きを間違えると、ボルトの締め付けが適切に行われないため注意してくださいね。下図の下側が座金と密着する側(内側)で、上側の面取りしてある部分が外側です。
下図をみれば、ナットとボルトの違いがわかりますね。
混同しやすい用語
ワッシャー(座金)
ボルトとナットの間に挟む薄い金具で、接触面積を広げ締付け力を均等に分散させる。
ナットが締付け力を発生させるのに対して、ワッシャーはその力を伝達・分散する役割を持つ。
ダブルナット
緩み止めのためにナットを二重に使う方法で、アンカーボルトなどに用いる。
通常の高力ボルト接合ではナット1個で締め付けるのとは異なり、2個のナットで固定する。
ナットを整理した表を示します。
| 項目 | ナット回転法 | トルクコントロール法 |
|---|---|---|
| 締め付け管理 | 回転角度で制御 | トルク値で制御 |
| 適用ボルト | 六角高力ボルト(F10T)など | 高力六角ボルト全般 |
| 施工精度 | 比較的低い | 高く現在主流 |
今回はナットについて説明しました。ナットの意味が理解頂けたと思います。ナットの寸法は覚えなくても良いでしょう。但し、柱脚部や部材が集まる箇所ではナットの高さが納まりに影響するため、注意したいですね。併せて下記も学習しましょう。
高力ボルトとは?読み方・種類(F10T・S10T)・規格・摩擦接合の特徴
ダブルナットとは?意味、締め付け手順、スプリングワッシャーとの違い
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
建築士試験では、ナットの締め方(ナット回転法・トルクコントロール法)の違いと、六角高力ボルト(F10T)にはナット回転法しか使えない点が問われやすい。(一級建築士 頻出:ナット回転法とトルクコントロール法の違いと六角高力ボルトF10Tにはナット回転法しか使えない点が繰り返し出題)