この記事の要点
中ボルト(普通ボルト)は高力ボルトに比べ強度・剛性が低く、構造部材の主接合には高力ボルトを使うのが原則。
この記事では、中ボルトとは何か、規格・強度区分はどうなっているのか、高力ボルトとどう違うのかを整理します。
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中ボルトは、JISB1051に規定されるボルトのことです。
高力ボルトと区別して、「普通ボルト」単に「ボルト」といいます。
但し、建築物の構造部材は高力ボルトで留める方が「普通」です。
普通ボルト、という名前に注意してくださいね。
今回は、中ボルトの意味、規格と強度区分、戻り止め、高力ボルトとの違いについて説明します。
※高力ボルトは下記が参考になります。
高力ボルトとは?読み方・種類(F10T・S10T)・規格・摩擦接合の特徴
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中ボルトの規格と強度区分を下表に示します。※日本工業規格のデータベースでJISB1051を検索すれば、さらに詳しい規格がわかります。
中ボルトは、強度区分という考え方があります。例えば強度区分「4.6」とは、呼び引張強さ(引張強度)が400MPa(400N/m㎡)で、降伏応力比(降伏比)が0.6という意味です。※引張強度、降伏比は下記が参考になります。
※「4.6」の「.」は小数点ではないので、注意してくださいね。「4と6」の数値を区切っているだけです。
JIS規格によれば、強度区分の数値は下記の意味です。
よって、強度区分の左側の数字が大きいほど高い引張強度のボルトだとわかります。強度区分の大きなボルトの方が、引張耐力、せん断耐力共に大きな値ですね。
強度区分は、下記の全9種類です。
中ボルトは、高力ボルトに比べて小径で、許容引張力などの力学性能が低いボルトです。「普通ボルト」、単に「ボルト」といいます。中ボルトは、普通、構造部材の接合部に使いません。
高力ボルトは摩擦接合により、安定して力を伝達できます。一方、中ボルトは耐力が小さく、主に「支圧接合」により力を伝達します。支圧で力を伝達するのは、少し不安です。※支圧接合は下記が参考になります。
なお、建築基準法では構造部材は高力ボルトの使用が普通で、中ボルトの使用が制限されています。下記の条件内で中ボルトが使えます。
また、中ボルトは戻り止めの措置が必要なこと、ボルト孔径は、ボルト径より1mmを超えて大きくしてはならない、など高力ボルトより高い精度が求められています。
私は学生の頃、中ボルトを使った接合部の実験を行っていました。中ボルトの孔径は軸部より1mmしか大きくできません。ボルトを締めるとき、ボルト軸が孔に入りにくいので大変でした。
中ボルトは戻り止め(緩み止め)の措置が必要です。建築基準法では下記が規定されます。
中ボルトと高力ボルトの違いを下記に整理しました。
高力ボルトについては下記が参考になります。
高力ボルトとは?読み方・種類(F10T・S10T)・規格・摩擦接合の特徴
中ボルトの使用は様々な制限があります。鋼構造設計規準に明記された制限の一部整理しました。詳しくは、本書をご確認ください。
中ボルトと高力ボルトの併用は原則行いません。行った場合も、ボルトの耐力は期待できません。
また中ボルトは緩みやすいので、振動や衝撃、繰り返し応力が作用する箇所に使えません。
混同しやすい用語
高力ボルト
大きな締め付け力で摩擦力を生じさせる高強度ボルト。
中ボルト(普通ボルト)に対して強度区分が高く、構造接合の主役となる。
中ボルトを整理した表を示します。
| 項目 | 中ボルト(普通ボルト) | 高力ボルト |
|---|---|---|
| 規格 | JIS B1051 | JIS B1186(F8T・F10T等) |
| 主な用途 | 胴縁・母屋など軽微な接合 | 構造部材の主接合 |
| 締付け方式 | スパナ・レンチによる通常締め | トルクコントロール法・ナット回転法 |
今回は中ボルトについて説明しました。規格や強度区分の意味が理解頂けたと思います。中ボルトは普段使わないボルトですが、胴縁や母屋を留めるとき中ボルトを使います。強度区分の考え方、弱点(振動など)を理解してくださいね。
高力ボルトの特徴、リベット、中ボルトと仮ボルトの関係など併せて勉強しましょうね。
高力ボルトとは?読み方・種類(F10T・S10T)・規格・摩擦接合の特徴
仮ボルトとは?中ボルトとの違い・本数規定・高力ボルト締め付け前の役割
リベットとは?建築での仕組み・強度と高力ボルトへ切り替わった理由
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
試験では、中ボルト(普通ボルト)は構造部材の主接合には原則使用しないこと、高力ボルト(F10T等)との強度区分の違いが問われる。(一級建築士 頻出:中ボルト(普通ボルト)は構造部材主接合に使用不可・高力ボルトとの強度区分の違いが繰り返し出題)