建築学生が学ぶ構造力学

建築学生が学ぶ構造力学
  1. HOME > 鋼構造の基礎 > 中ボルトとは?1分でわかる意味、規格、強度区分、戻り止め、高力ボルトとの違い

中ボルトとは?1分でわかる意味、規格、強度区分、戻り止め、高力ボルトとの違い

この記事の要点

中ボルト(普通ボルト)は高力ボルトに比べ強度・剛性が低く、構造部材の主接合には高力ボルトを使うのが原則

この記事では、中ボルトとは何か、規格・強度区分はどうなっているのか、高力ボルトとどう違うのかを整理します。

【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット


中ボルトは、JISB1051に規定されるボルトのことです。

高力ボルトと区別して、「普通ボルト」単に「ボルト」といいます。

但し、建築物の構造部材は高力ボルトで留める方が「普通」です。

普通ボルト、という名前に注意してくださいね。

今回は、中ボルトの意味、規格と強度区分、戻り止め、高力ボルトとの違いについて説明します。

※高力ボルトは下記が参考になります。

高力ボルトとは?読み方・種類(F10T・S10T)・規格・摩擦接合の特徴

100円から読める!ネット不要!印刷しても読みやすいPDF記事はこちら⇒ いつでもどこでも読める!広告無し!建築学生が学ぶ構造力学のPDF版の学習記事

中ボルトの規格と強度区分

中ボルトの規格と強度区分を下表に示します。※日本工業規格のデータベースでJISB1051を検索すれば、さらに詳しい規格がわかります。

中ボルトの規格と強度区分

中ボルトは、強度区分という考え方があります。例えば強度区分「4.6」とは、呼び引張強さ(引張強度)が400MPa(400N/m㎡)で、降伏応力比(降伏比)が0.6という意味です。※引張強度、降伏比は下記が参考になります。

引張強さの求め方・単位・降伏点との違い【鋼材データ付き】

降伏比が簡単にわかる2つのポイントとは?


※「4.6」の「.」は小数点ではないので、注意してくださいね。「4と6」の数値を区切っているだけです。


JIS規格によれば、強度区分の数値は下記の意味です。


よって、強度区分の左側の数字が大きいほど高い引張強度のボルトだとわかります。強度区分の大きなボルトの方が、引張耐力、せん断耐力共に大きな値ですね。


強度区分は、下記の全9種類です。

中ボルトとは?

中ボルトは、高力ボルトに比べて小径で、許容引張力などの力学性能が低いボルトです。「普通ボルト」、単に「ボルト」といいます。中ボルトは、普通、構造部材の接合部に使いません。


高力ボルトは摩擦接合により、安定して力を伝達できます。一方、中ボルトは耐力が小さく、主に「支圧接合」により力を伝達します。支圧で力を伝達するのは、少し不安です。※支圧接合は下記が参考になります。

摩擦接合と支圧接合の違い


なお、建築基準法では構造部材は高力ボルトの使用が普通で、中ボルトの使用が制限されています。下記の条件内で中ボルトが使えます。


また、中ボルトは戻り止めの措置が必要なこと、ボルト孔径は、ボルト径より1mmを超えて大きくしてはならない、など高力ボルトより高い精度が求められています。


私は学生の頃、中ボルトを使った接合部の実験を行っていました。中ボルトの孔径は軸部より1mmしか大きくできません。ボルトを締めるとき、ボルト軸が孔に入りにくいので大変でした。

中ボルトの戻り止めの措置

中ボルトは戻り止め(緩み止め)の措置が必要です。建築基準法では下記が規定されます。

中ボルトと高力ボルトの違い

中ボルトと高力ボルトの違いを下記に整理しました。


高力ボルトについては下記が参考になります。

高力ボルトとは?読み方・種類(F10T・S10T)・規格・摩擦接合の特徴

中ボルトと鋼構造設計規準の関係

中ボルトの使用は様々な制限があります。鋼構造設計規準に明記された制限の一部整理しました。詳しくは、本書をご確認ください。

鋼構造設計規準―許容応力度設計法



中ボルトと高力ボルトの併用は原則行いません。行った場合も、ボルトの耐力は期待できません。


また中ボルトは緩みやすいので、振動や衝撃、繰り返し応力が作用する箇所に使えません。

混同しやすい用語

高力ボルト

大きな締め付け力で摩擦力を生じさせる高強度ボルト。

中ボルト(普通ボルト)に対して強度区分が高く、構造接合の主役となる。

試験での問われ方|管理人の一言

試験では、中ボルト(普通ボルト)は構造部材の主接合には原則使用しないこと、高力ボルト(F10T等)との強度区分の違いが問われる。(一級建築士 頻出:中ボルト(普通ボルト)は構造部材主接合に使用不可・高力ボルトとの強度区分の違いが繰り返し出題)

中ボルトを整理した表を示します。

項目中ボルト(普通ボルト)高力ボルト
規格JIS B1051JIS B1186(F8T・F10T等)
主な用途胴縁・母屋など軽微な接合構造部材の主接合
締付け方式スパナ・レンチによる通常締めトルクコントロール法・ナット回転法

まとめ

今回は中ボルトについて説明しました。規格や強度区分の意味が理解頂けたと思います。中ボルトは普段使わないボルトですが、胴縁や母屋を留めるとき中ボルトを使います。強度区分の考え方、弱点(振動など)を理解してくださいね。


高力ボルトの特徴、リベット、中ボルトと仮ボルトの関係など併せて勉強しましょうね。

高力ボルトとは?読み方・種類(F10T・S10T)・規格・摩擦接合の特徴

仮ボルトとは?中ボルトとの違い・本数規定・高力ボルト締め付け前の役割

リベットとは?建築での仕組み・強度と高力ボルトへ切り替わった理由

【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット

この記事の内容を○×クイズで確認する

この記事で学んだ内容は、無料の○×問題集でも確認できます。

意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

ゼロ所長の構造力学問題集で確認する

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。

2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。

著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

▼用語の意味知らなくて大丈夫?▼

建築学生が学ぶ「構造力学」の用語集

▼同じカテゴリの記事一覧▼

▼カテゴリ一覧▼

▼他の勉強がしたい方はこちら▼

建築構造がわかる基礎図解集

【無料】ゼロ所長が解説!建築士試験の構造を効率よく学ぶ

・試験に出るポイントをわかりやすく解説

・今すぐnoteで学ぶ ⇒  ゼロから学ぶ建築士試験の構造

わかる1級建築士の計算問題解説書

計算の流れ、解き方がわかる!1級建築士【構造】計算問題解説集

▼初回無料!月額約400円で業界最新情報をゲット!▼

「建築業界の最新動向」を最速でキャッチ。

今すぐ無料で試してみよう!⇒ ビルディング・アップデート

わかる2級建築士の計算問題解説書!

【30%OFF】一級建築士対策も◎!構造がわかるお得な用語集

建築学生が学ぶ「構造力学」の用語集
pdf版の学習記事

プロフィール

建築の本、紹介します。▼

すぐにわかる構造力学の本

同じカテゴリの記事一覧

Topへ >>

  1. HOME > 鋼構造の基礎 > 中ボルトとは?1分でわかる意味、規格、強度区分、戻り止め、高力ボルトとの違い
  2. 1級の過去問(計算)解説
  3. わかる建築構造の用語集・図解集
  4. 1頁10円!PDF版の学習記事