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引張接合とは、高力ボルトの締め付け力による材間圧縮力を利用した接合方法の1つです。高力ボルト軸に対して、平行な応力(引張力)が作用する接合部です。高力ボルトを用いた接合部は、摩擦接合が基本ですが、引張接合という方法も増えています。今回は、引張接合の意味、強度と離間耐力の考え方、計算法、てこ反力について説明します。
摩擦接合、支圧接合は、下記が参考になります。
高力ボルトの特徴は、下記が参考になります。
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引張接合とは、高力ボルトの軸に対して、平行な応力(引張力)を伝達する接合方法です。下図をみてください。引張接合の一例を示しました。
引張接合は、材間圧縮力を利用した接合方法です。高力ボルトに引張力が作用すると、徐々に材間圧縮力が減少します。このとき、高力ボルトには、外力による引張力は一切作用しません。さらに引張力が材間圧縮力を超えると、接合した2枚の板は離れます。
離間すると、引張力は全て高力ボルトに生じます。引張力を増やし続けると、最後は破断します。
なお、離間するまでは引張接合の剛性はとても高いです。
摩擦接合では、摩擦面が滑らない限界値(摩擦耐力)が許容耐力の規準です。さらに、最大耐力(終局時)は、摩擦面すべり後の高力ボルトの破断を考慮します。
引張接合では、離間しない限界値を許容耐力の規準と考えることもできます。最大耐力は、離間後の高力ボルトの破断耐力です。
下図をみてください。高力ボルトにより締め付けると、材間に圧縮力が生じます。この圧縮力が摩擦接合、引張接合の抵抗力を生みます。
引張接合を理解して頂くために、簡単なモデルで説明します。下図をみてください。材に圧縮力を加えます。両端に2つのピン支点があります。圧縮力を加えると、支点には圧縮側の反力が生じます。
これが高力ボルトを締めつけた状態です。引張接合では、外力として引張力が伝達されます。材の中央に引張力が作用するとき、支点には引抜き側の反力が生じます。この引抜力が、材間圧縮力を徐々に減らすのです。
計算過程は省略しますが(鋼構造接合部設計指針などをご確認ください)、離間するときの耐力は下記です。
Pは離間耐力、Niはボルト張力、Kpは板のバネ定数、Kbはボルトのバネ定数です。※鋼構造接合部設計指針とは、下記の書籍です。
下記も参考になります。
鋼構造接合部設計指針とは?1分でわかる内容、目次、最新版、柱脚
実際の引張接合は、下図のようにT形のプレートを用いて留めます。T形のプレートに引張力が生じるとき、高力ボルトには引抜力が生じますが、両端には圧縮側の反力が生じます。この圧縮側反力を「てこ反力」といいます。
今回は引張接合について説明しました。意味が理解頂けたと思います。引張接合は、高力ボルトに対して平行な応力を伝達する接合方法です。引張接合の仕組みを理解しましょう。高力ボルト接合には、摩擦接合があります。摩擦接合の仕組みも理解してくださいね。離間耐力の計算法、てこ反力も併せて勉強してください。下記が参考になります。
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