この記事の要点
水平力分担率とは、地震力など水平力の合計に対して、各鉛直部材(柱・壁・ブレース)が個別に負担する割合のことです。ある部材の水平力分担率が30%なら、全体の水平力の3割をその部材が負担します。
水平力分担率は剛性に比例します。筋交い(ブレース)は一般にラーメン架構より剛性が高いため、水平力を多く負担します。Ds(構造特性係数)の計算で使われます。
例えば、ある柱の水平力分担率が30%とは、全体の水平力に対して、3割を負担するという意味です。
この記事では、水平力分担率とは何か、どう求めるのか、筋交いの割増率との関係を整理します。
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水平力分担率とは、各鉛直部材(柱や壁、ブレース)が負担する水平力(せん断力)と、全体の水平力との比率です。
例えば、ある柱の水平力分担率が30%とは、全体の水平力に対して、3割を負担するという意味です。
水平力分担率を読めば、どの部材に応力が集中しているか、分かります。
今回は、水平力分担率の意味、筋交い、Dsとの関係について説明します。
なお、水平力分担率は剛性と関係します。
剛性の意味は、下記の記事が参考になります。
剛性とは?変形しにくさの意味・強度との違い・計算式・単位を解説
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水平力分担率とは、各鉛直部材が負担する水平力と、全体の水平力との比率です。各鉛直部材が負担する水平力をQn、全体の水平力をQとします。水平力分担率は、下式で計算します。
鉛直部材の中でも、耐震壁、ブレース(筋交い)、雑壁付き柱は、水平力分担率が大きいです。これは、部材の剛性が大きいためです。※剛性は下記の記事が参考になります。
剛性とは?変形しにくさの意味・強度との違い・計算式・単位を解説
また、柱に対して梁の取り付き方も剛性に影響します。一般の建物は、不静定構造物のため、水平力分担率の求め方が難しいです。手計算レベルで、水平力分担率を計算する方法として、D値法があります。
地震力(水平力)の求め方は、下記が参考になります。
筋交いは剛性が高いため、水平力が集中します。水平力分担率をβとするとき、下記の割増係数を考慮して応力を割増し、筋交いの断面算定を行います。水平力分担率の割増係数は下記です。
β≦5/7 ⇒ 1+0.7β
β>5/7 ⇒ 1.5
βは水平力分担率です。
水平力分担率の大きさは、Dsの値に影響します。※Dsは構造特性係数のことです。Dsは、固い(剛性が高い)建物ほど大きい値になります。Dsの意味は、下記の記事が参考になります。
水平力分担率が大きい部材は、「剛性が高い部材」です。よって、水平力分担率が大きいほど、Dsの値も大きいです。筋交いの水平力分担率と、Dsの関係は、下記の書籍が参考になります。
根拠・参考
実務では、設計条件・仕様書・適用する規準により確認してください。
混同しやすい用語
水平力分担率(β)
各鉛直部材(柱・耐震壁・ブレース)が負担する水平力と全体の水平力との比率。
剛性の高い部材ほど分担率が大きい。
構造特性係数(Ds)
建物の変形性能を表す係数。
水平力分担率が大きい(剛性の高い)建物ほどDsの値が大きく、必要保有水平耐力も増える。
剛性
部材の変形しにくさを表す値。
剛性が高い部材(耐震壁・ブレースなど)は水平力が集中するため、水平力分担率が大きくなる。
水平力分担率を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 水平力分担率(β) | 鉛直部材が負担する水平力÷全体の水平力 | 剛性の高い部材ほど大きい |
| 割増係数(β≦5/7) | 1+0.7β | 筋交い断面算定に適用 |
| Dsとの関係 | 分担率が大きいほどDsが大きくなる | ブレース構造で特に重要 |
今回は水平力分担率について説明しました。
意味が理解頂けたと思います。
水平力分担率は、鉛直部材が負担する水平力に対する、全体の水平力との比率です。
耐震壁、筋交いなど剛性の高い部材は、水平力分担率が大きいです。
なお、水平力分担率の大きなブレースは、応力を割増して計算します。
また、ブレース構造は、水平力分担率に応じてDsが変わることも覚えてください。
剛性の意味、地震力(水平力)の求め方は、下記の記事が参考になります。
剛性とは?変形しにくさの意味・強度との違い・計算式・単位を解説
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
試験では水平力分担率と各耐震要素の剛性の関係が問われます。ラーメンと耐震壁が混在する建物では、剛性の大きい壁が水平力を多く分担します。分担率の算定手順を理解しておきましょう。
筋交い(ブレース)の引張・圧縮での挙動の差異も水平力分担に影響します。Ds値(構造特性係数)は水平力分担率と部材の靭性から決まるため、分担率とDs値の関係を整理して覚えておきましょう。