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臥梁は、壁の頂部に設けられた鉄筋コンクリートの梁です。組積造や補強コンクリートブロック造の壁に利用します。また組積造の手すり壁をつくるとき、臥梁が必要不可欠です。今回は、臥梁の意味、有効幅、配筋、組積造での利用について説明します。
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臥梁は、
です。臥梁は建築基準法施行令で、明確に定義(第62条の5)があります。下記に施行令を抜粋しました。
・補強コンクリートブロック造の耐力壁には、各階の頂部に鉄筋コンクリート造の臥梁を設けなければならない。
よって組積造を補強するとき、鉄骨造の臥梁では不可です。下図をみてください。これが臥梁です。
臥梁は「がりょう」とよみます。臥梁の「臥」は伏せる、横になる、うつ伏せになるという意味です。臥梁は、組積造に作用する地震力の伝達が主目的なので、通常の梁を横にむけた形状です。よって臥梁といいます。
臥梁の有効幅は、
20cm以上、かつ、耐力壁の水平方向の支点間距離の1/20以上
です。前述した第62条の5の2項に明記あります。同条では臥梁の「せい」について規定がありません。
これは、臥梁が鉛直力を負担する部材ではなく、水平力を伝達する部材であることが理由です。
ちなみに「有効幅」とは、鉄筋コンクリート造の躯体寸法の意味で、モルタルや増し打ちなどの仕上げは有効幅に含みません。
では具体的に臥梁の有効幅を計算します。下図をみてください。水平方向の支点間距離が4200mmで組積造の壁があります。この頂部に臥梁が必要です。臥梁の有効幅はいくらでしょうか。
臥梁の有効幅は、下記の大きい値を採用すれば良いです。
今回、支点間距離が4200なので、4200/20=210mm>200。よって臥梁の有効幅は210ですね。
臥梁は組積造や補強コンクリートブロック造(以下、組積造など)で利用します。下図をみてください。組積造の手すり壁を造る場合、組積造の頂部に臥梁を設けます。
また、補強コンクリートブロック造の耐力壁は、ブロック頂部に臥梁を設けることにより、力が適切に伝達されます。
なぜ組積造などの頂部には、臥梁が必要でしょうか。
組積造などは水平方向の力に弱い特徴があります。一方で、ブロックの使い方として下図のような片持ち形状がとても多いです。
片持ち形状とは、1点でのみ支えている形状です。組積造のように、ブロックを重ねた構造物は元々一体化された部材より弱いです。
※片持ちについては下記の記事が参考になります。
片持ち梁とは?1分でわかる構造、様々な荷重による応力と例題
臥梁を設けることで、組積を2点で支えることが可能です。これなら組積が崩れる可能性が減るわけです。
臥梁は鉄筋コンクリート造の梁なので、適切な配筋が必要です。配筋では、建築基準法施行令の各条が適用されます。また、令第78条では臥梁に関する文言があります。
カッコ内が臥梁に関する文言です。
もちろん、臥梁に作用する応力を計算して必要配筋の算出が必要です。
今回は臥梁について説明しました。臥梁の意味が理解頂けたと思います。臥梁は、組積造などの水平力伝達が目的です。地震では、組積造などの崩れ被害が多くありました。直接力をかけない組積造でも、臥梁が必要か考えるべきでしょう。
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