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辺長比とは、スラブの長辺と短辺の比率、又は壁の長さと高さの比率です。今回は辺長比の意味、計算法、スラブとの関係、読み方について説明します。※スラブの意味は下記の記事が参考になります。
スラブってなに?現役設計者が教えるスラブの意味と、特徴、役割
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辺長比とは、下記を意味します。
スラブと壁、いずれの場合も部材の長さ比を表します。
辺長比は、荷重の伝わり方に大きく関係します。下図をみてください。辺長比が2.0以上のスラブです。このとき、スラブに作用する荷重は、ほとんどが短辺方向に流れます。
一方、正方形のスラブでは荷重は4方向に流れます。
構造設計で、「荷重をどこに伝達させるか」は常に意識します。よって、辺長比と荷重の流れる方向との関係は理解したいですね。※下記の記事が参考になります。
スラブってなに?現役設計者が教えるスラブの意味と、特徴、役割
また壁の辺長比は、できるだけ正方形近くなるよう(1.0に近づくよう)にします。辺長比が大きくなると、誘発目地の間隔が適切に切れないからです。
辺長比は「へんちょうひ」と読みます。
スラブの辺長比を計算します。下記の問題を解いてみましょう。
簡単な問題ですね。スラブの辺長比は、長辺/短辺でした。よって、辺長比は
です。
スラブの応力は辺長比により変わります。スラブの場合、辺長比が大きくなると短辺方向端部の応力が増えます。逆に、辺長比が1.0に近づくと、各応力は小さくなります。辺長比が1.0になると、荷重は4辺に流れます。荷重が分散して伝達できるため応力が小さくなるのです。
例えば、辺長比が2.0以上の場合、短辺端部の応力Mx1は、辺長比1.0の応力と比べて1.5倍以上大きくなります。
壁の辺長比は、壁の長さ/壁の高さで計算します。コンクリートのひび割れを起こさないために、誘発目地で囲まれた壁の面積は小さくします。
また、誘発目地で囲む範囲の辺長比は大きくならないよう配慮し、1.25以下を原則とします。
今回は辺長比について説明しました。辺長比の意味が理解頂けたと思います。辺長比の計算法は簡単ですが、長辺と短辺の値を逆にしないよう注意したいですね。壁の辺長比は、誘発目地との関係があります。一級建築士にも出題されるポイントなので覚えておきましょう。
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