この記事の要点
構造設計では「材料がどれだけの応力に耐えられるか」を示す材料強度から、設計に使う許容応力度を導きます。
「Fc(コンクリート設計基準強度)」「F値(鋼材の基準強度)」など材料ごとに記号が異なり、混乱しやすいポイントです。
このページでは材料強度の定義・F値との関係・許容応力度の計算方法と、主要材料の強度一覧を整理します。
圧縮、引張、曲げ、せん断と、「材料毎に」定められています。
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材料強度をご存じでしょうか。言葉の意味をそのまま考えれば「材料の強度」です。しかし、実際にはきちんと意味が決まっています。今回は、そんな材料強度がわかるたった1つのポイントと、許容応力度との関係を説明します。
強度、許容応力度の意味は下記が参考になります。
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材料強度は建築基準法により定められた、各応力状態における材料の強度です。圧縮、引張、曲げ、せん断と、「材料毎に」定められています。材料強度は、基準強度(F値)を元に計算します。
材料強度は下記の2つのポイントを覚えておきます。
です。
この用語は案外ややこしくて、「許容応力度」「材料強度」「基準強度」という似た用語が建築基準法や、告示内に頻出します。
また、「降伏強度」という言い方をする書籍もあるので余計にややこしいです。暗記するなら、前述した項目がポイントです。
降伏強度(降伏強さ)、許容応力度の意味は下記が参考になります。
降伏点とは?1分でわかる意味、求め方、SS400の値、単位、引張強さ
各材料によって、材料強度は異なります。代表的な材料の材料強度を紹介します。また共通した記号のFは、「F値(えふち)」や、基準強度といいます。共通の記号ですが、各材料で値を定めており同じ値ではありません。
せん断はF値を√3で除した値です。根拠はミーゼスの応力度から算出できます。下記の記事を参考にして下さい。
ミーゼスの降伏条件とは?許容せん断応力度fs=fy/√3との関係と建築設計への応用
鉄筋は、そのままで使われることはなく鉄筋コンクリート造として用います。よって、曲げやせん断を直接負担することを想定していないので、曲げとせん断の材料強度は規定されていません。
突合せ溶接部は、母材(鋼材)と同じ強度が得られることを、材料強度で保証しているのです。
突合せ溶接以外は、√3で除した値が材料強度です。例えば隅肉溶接が該当します。上記より隅肉溶接部も、一応曲げに対する材料強度は規定されています。しかし実務では、隅肉溶接部は「曲げを負担しない」と仮定します。
材料強度は、許容応力度や安全率と関係しています。材料強度と降伏強度(許容応力度)、安全率との関係は下記の記事が参考になります。
再度ポイントを説明しますが、こんな感じで覚えても良いでしょう。
鋼材 長期許容応力度を1.5倍⇒材料強度(短期許容応力度)
コンクリート・木材 長期許容応力度を2.0(木材は1.8倍程度)⇒短期許容応力度を1.5倍⇒材料強度
鋼材は長期に対して1.5倍、コンクリートと木材は長期に対して3倍した値が材料強度です。ただ木材はイレギュラーで、長期の2.7倍程度が材料強度となります。
混同しやすい用語
材料強度
材料強度(F値)は破壊時の基準値で、許容応力度はそれに安全率を考慮した設計上限値です。設計では応力度が許容応力度以下であることを確認します。
設計基準強度
設計基準強度はコンクリートの圧縮強度を示すFcで、許容応力度はこれをもとに安全率を考慮して算出します。
材料強度を整理した表を示します。
| 材料 | 強度の種類 | 許容応力度との関係 |
|---|---|---|
| 鋼材 | 引張・圧縮・曲げ・せん断強度 | 長期=材料強度×2/3 |
| コンクリート | 圧縮強度Fc | 長期許容=Fc/3 |
| 木材 | 圧縮・引張・曲げ・せん断強度 | 樹種・等級ごとに規定 |
今回は材料強度について説明しました。思っている以上にややこしいと思います。下手に暗記すると覚えきれません。今回紹介したように、何か共通項を見つけると覚えやすいでしょう。以上、今回の記事が参考になれば幸いです。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。
