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重要度係数とは、地震力を割り増しするための係数です。重要度係数を考慮すれば、通常より大きな力に対して設計されるので、耐震性能を高めることができます。今回は、重要度係数を耐震性能との関係性を踏まえて説明します。
地震力の算定、地震荷重の意味は下記が参考になります。
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重要度係数は、重要度の高い建物に対して耐震性を高めるために考慮する係数です。
建物の中には、「災害時の避難施設」となる建物が存在します。あるいは災害時の必要物資の貯蔵庫、公共の医療施設など、災害が起きても本来の用途が使える建物が必要です。
これらの公共の用途に資する建物は「重要度の高い施設」ということで、重要度係数を定めることが慣例となっています。
では具体的にどんな係数を考慮するのか。なぜ重要度係数を考慮することで耐震性が上がるのか。簡単です。冒頭で説明したように、重要度係数は地震力に考慮する値だからです。
重要度係数をI、地震力をQと考えます。すると、
Q'=I×Q
です。通常の地震力より大きな力Q'で部材の設計を行うことで、建物はより大きな力に対し耐えうる。つまり耐震性能が高まったといえるでしょう。
※地震力の算定は下記が参考になります。
重要度係数が、地震力に考慮する係数であることがわかりました。地震力を割り増しすることで、通常より大きな力で設計するわけです。
さて、重要度係数には3つのグレードがあります。ここでは、それらのグレードの数値と特徴について説明します。
重要度係数Ⅰ類(いちるい)は最も耐震性能のグレードが高い重要度係数です。具体的には下記の係数を地震力に考慮します。
I=1.5
通常の地震力より1.5倍も大きい力を想定するわけです。耐震性能は十分に向上するでしょう。公共の避難施設、津波避難施設などがⅠ類の建物に該当します。
重要度係数Ⅱ類(にるい)は、Ⅰ類より劣りますが、やはり重要度の高い建物に考慮します。具体的には下記の係数を地震力に考慮します。
I=1.25
公共の学校施設などは、重要度係数Ⅱ類です。※学校の定義は下記をご覧ください。
学校の定義は?1分でわかる意味、建築基準法との関係、学校等の定義、幼稚園、大学、天井高さ
Ⅲ類は重要度係数1.0を考慮する建物です。但し1.0は考慮しても元の数値と同じ。すなわち割増がないのと同じです。
建築基準法は、建築物の耐震性能の最低の基準を保証する法律です。建築基準法通りに設計することは、まさに重要度係数Ⅲ類を考慮した、と言えます。
今回は重要度係数と耐震性能の関係について説明しました。ざっくり覚えるのなら、「公共建築物は重要度係数がⅡ類以上考慮する」「民間の建物は、ほとんどが重要度係数が考慮されていない」と考えてください。また、グレードの高低を覚え間違いしないよう注意してください。
Ⅰ類 I=1.50
Ⅲ類 I=1.00
です。Ⅱ類は中間的な値と覚えておけば問題ないでしょう。
余談ですが、前述したように地震が起きた際に逃げ込むのなら公共施設です。特に体育館や小学校などは、避難所となることが想定され設計されています。必要物資の蓄えもあるし、建物は重要度係数を考慮して設計されており耐震性能が高いのです。下記も併せて学習しましょう。
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