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鉄骨(てっこつ)とは、建築の構造物に使う材料の1つです。構造物を支える柱や梁は、人間の「骨」と似た役割があります。「鉄の(でつくった)骨=鉄骨」という意味です。但し、厳密に言うと「鉄」ではなく「鋼(こう)」を使います。用語としては間違いですが、建築の実務であまりにも一般的な用語のため「鉄骨」のまま使われています。鉄骨、鋼材の意味は下記が参考になります。
鉄骨と鉄筋の違いは?1分でわかる意味、重量鉄骨と軽量鉄骨はどちらがおすすめ?
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鉄骨(てっこつ)とは、建築の構造物に使う材料の1つです。構造的には下記の特徴があります。
・色々な断面形状がある(をつくれる)
・細長い部材(線材)として使う
・引張力に強く、圧縮力に注意が必要
・鉄骨造は鉄筋コンクリート造に比べて軽量であり地震力が比較的小さい
特徴をそれぞれ解説します。
まず鉄骨は下図のように、色々な断面形状があります。色々な断面をつくれるのも、鉄骨が比較的柔らかく加工性に優れているためです。
なぜ「色々な断面形状があるのか?」というと、1つの理由は経済性です。下図をみてください。どちらの部材の方が、少ない鉄骨で構成されているでしょうか。明らかに右側の部材ですよね。
単なる長方形断面よりも角パイプやH形の方が、経済性が良いのです。もちろん断面性能が極端に落ちないような断面形状がつくられています。
構造部材によく使う断面として「角パイプ、丸パイプ、H形、山形、溝形」などがあります。鋼材の断面形状の詳細は下記が参考になります。
断面形状とは?1分でわかる意味、強度、種類、断面二次モーメントとの関係
一般的に、鉄骨は細長い部材(線材)として使います。鉄筋コンクリート造(以降、RC造)との大きな違いの1つです。RC造は線材だけでなく、面材である「スラブや壁」としても使います。
鉄骨は面材として使うことはありません。断面寸法に対して長さの大きい線材として使います。
鉄骨は引張力に強く、圧縮力に注意が必要な材料です。前述したように鉄骨には色々な断面形状があります。経済性かつ軽量な一方で、圧縮力に対して曲がりやすくなっています。
圧縮力により部材が面外に飛び出てしまう現象を座屈といいます。鉄骨造は座屈に十分注意した設計が必要です。座屈の詳細は下記をご覧ください。
鉄骨は「軽くて強い材料」とよく言われます。厳密に言うと間違いです。なぜなら密度を比較すると鉄筋コンクリートの3倍も大きいからです。
ではなぜ「軽くて強い」と言われるかというと、前述した断面形状が関係しています。鉄骨の断面は角パイプやH形など工夫された形状が多いです。そのため、本来重いはずの鉄が「軽い材料」となっています。
地震力は建物の重さに比例するので、軽い鉄骨造は鉄筋コンクリート造に比べると地震力が小さいです。
なお「鉄骨(てっこつ)」と言いますが、厳密にいうと材料としては「鉄」ではありません。「鋼(こう)」です。鋼は鉄に炭素他を含有した材料です。本当は間違った用語ですが、建築業界であまりにも一般的な用語なので、現在でも「鉄骨」という言葉を用いています。
鉄骨には色々な材料の種類があります。下記に一覧を示します。
一般構造用圧延鋼材 SS400, SS490
建築構造用圧延鋼材 SN400A, SN400B, SN400C(SN490A, SN490B, SN490C)
溶接構造用圧延鋼材 SM400, SM490
一般構造用炭素鋼管 STK400,STK490
一般構造用角形鋼管 STKR400,STKR490
建築構造用冷間ロール成形角形鋼管 BCR295
一般構造用軽量形鋼 SSC400
異形棒鋼 SD295A,SD345,SD390
丸鋼 SR235
溶接構造用耐候性熱間圧延鋼材 SMA400AW, SMA490AW
建築構造用耐火鋼材 NSFR400A, NSFR490A
各材質の詳細など下記をご覧ください。
耐火性能の要求がある場合、鉄骨部材には耐火被覆が必要です。耐火被覆材には吹付けロックウールやケイ酸カルシウム板などがあります。詳細は下記をご覧ください。
今回は構造物をつくる材料の鉄骨について解説しました。鉄骨の性質や特徴が理解頂けたと思います。また鉄骨と書いていますが、実際の材料は「鋼」です。本当に鉄を使っているわけでは無いので勘違いしないでくださいね。下記も併せて勉強しましょう。
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