建築学生が学ぶ構造力学

  1. HOME > 鋼構造の基礎 > 鉄骨はどんな材料?3分でわかる鉄骨材料の性質、種類、耐火被覆との関係

鉄骨はどんな材料?3分でわかる鉄骨材料の性質、種類、耐火被覆との関係

【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!大好評の用語集と図解集のセット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット(※既に26人にお申込みいただきました!)


鉄骨(てっこつ)とは、建築の構造物に使う材料の1つです。構造物を支える柱や梁は、人間の「骨」と似た役割があります。「鉄の(でつくった)骨=鉄骨」という意味です。但し、厳密に言うと「鉄」ではなく「鋼(こう)」を使います。用語としては間違いですが、建築の実務であまりにも一般的な用語のため「鉄骨」のまま使われています。鉄骨、鋼材の意味は下記が参考になります。

鉄骨と鉄筋の違いは?1分でわかる意味、重量鉄骨と軽量鉄骨はどちらがおすすめ?

鋼材の種類は?1分でわかる種類一覧、用途、材質と特徴、記号

100円から読める!ネット不要!印刷しても読みやすいPDF記事はこちら⇒ いつでもどこでも読める!広告無し!建築学生が学ぶ構造力学のPDF版の学習記事

記事を書いた人

ハナダユキヒロ/建築学生が学ぶ「構造力学」

難解な構造力学、建築構造の用語を分かりやすく解説する専門家。高等専門学校在学中から建築学生が学ぶ「構造力学」を運営。その後、国立大学大学院⇒組織設計事務所⇒弊サイト運営に従事している。

著書:「わかる構造力学/工学社」、「わかる構造力学 改訂版/工学社」

LINEで質問したい方はこちら ⇒ 【好評】管理人にLINEで質問してみよう

鉄骨はどんな材料?性質と特徴

鉄骨(てっこつ)とは、建築の構造物に使う材料の1つです。構造的には下記の特徴があります。


・色々な断面形状がある(をつくれる)

・細長い部材(線材)として使う

・引張力に強く、圧縮力に注意が必要

・鉄骨造は鉄筋コンクリート造に比べて軽量であり地震力が比較的小さい


特徴をそれぞれ解説します。

色々な断面形状がある(をつくれる)

まず鉄骨は下図のように、色々な断面形状があります。色々な断面をつくれるのも、鉄骨が比較的柔らかく加工性に優れているためです。


断面形状と強さ


なぜ「色々な断面形状があるのか?」というと、1つの理由は経済性です。下図をみてください。どちらの部材の方が、少ない鉄骨で構成されているでしょうか。明らかに右側の部材ですよね。

図 鉄骨断面と経済性


単なる長方形断面よりも角パイプやH形の方が、経済性が良いのです。もちろん断面性能が極端に落ちないような断面形状がつくられています。


構造部材によく使う断面として「角パイプ、丸パイプ、H形、山形、溝形」などがあります。鋼材の断面形状の詳細は下記が参考になります。

断面形状とは?1分でわかる意味、強度、種類、断面二次モーメントとの関係

細長い部材(線材)として使う

一般的に、鉄骨は細長い部材(線材)として使います。鉄筋コンクリート造(以降、RC造)との大きな違いの1つです。RC造は線材だけでなく、面材である「スラブや壁」としても使います。


鉄骨は面材として使うことはありません。断面寸法に対して長さの大きい線材として使います。


図 鉄骨と線材

引張力に強く、圧縮力に注意が必要

鉄骨は引張力に強く、圧縮力に注意が必要な材料です。前述したように鉄骨には色々な断面形状があります。経済性かつ軽量な一方で、圧縮力に対して曲がりやすくなっています。


圧縮力により部材が面外に飛び出てしまう現象を座屈といいます。鉄骨造は座屈に十分注意した設計が必要です。座屈の詳細は下記をご覧ください。

座屈とは?座屈荷重の基礎知識と、座屈の種類

鉄骨造は鉄筋コンクリート造に比べて軽量であり地震力が比較的小さい

鉄骨は「軽くて強い材料」とよく言われます。厳密に言うと間違いです。なぜなら密度を比較すると鉄筋コンクリートの3倍も大きいからです。


ではなぜ「軽くて強い」と言われるかというと、前述した断面形状が関係しています。鉄骨の断面は角パイプやH形など工夫された形状が多いです。そのため、本来重いはずの鉄が「軽い材料」となっています。


地震力は建物の重さに比例するので、軽い鉄骨造は鉄筋コンクリート造に比べると地震力が小さいです。


なお「鉄骨(てっこつ)」と言いますが、厳密にいうと材料としては「鉄」ではありません。「鋼(こう)」です。鋼は鉄に炭素他を含有した材料です。本当は間違った用語ですが、建築業界であまりにも一般的な用語なので、現在でも「鉄骨」という言葉を用いています。

鉄骨材料の種類

鉄骨には色々な材料の種類があります。下記に一覧を示します。


一般構造用圧延鋼材 SS400, SS490

建築構造用圧延鋼材 SN400A, SN400B, SN400C(SN490A, SN490B, SN490C)

溶接構造用圧延鋼材 SM400, SM490

一般構造用炭素鋼管 STK400,STK490

一般構造用角形鋼管 STKR400,STKR490

建築構造用冷間ロール成形角形鋼管 BCR295

一般構造用軽量形鋼 SSC400

異形棒鋼 SD295A,SD345,SD390

丸鋼 SR235

溶接構造用耐候性熱間圧延鋼材 SMA400AW, SMA490AW

建築構造用耐火鋼材 NSFR400A, NSFR490A


各材質の詳細など下記をご覧ください。

鋼材の種類は?1分でわかる種類一覧、用途、材質と特徴、記号

鉄骨と耐火被覆の関係

耐火性能の要求がある場合、鉄骨部材には耐火被覆が必要です。耐火被覆材には吹付けロックウールやケイ酸カルシウム板などがあります。詳細は下記をご覧ください。

耐火被覆の目的と、材料と工法

まとめ

今回は構造物をつくる材料の鉄骨について解説しました。鉄骨の性質や特徴が理解頂けたと思います。また鉄骨と書いていますが、実際の材料は「鋼」です。本当に鉄を使っているわけでは無いので勘違いしないでくださいね。下記も併せて勉強しましょう。

鋼材の種類は?1分でわかる種類一覧、用途、材質と特徴、記号

鉄骨と鉄筋の違いは?1分でわかる意味、重量鉄骨と軽量鉄骨はどちらがおすすめ?

【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!大好評の用語集と図解集のセット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット(※既に26人にお申込みいただきました!)


▼スポンサーリンク▼

▼【好評!】管理人おすすめ▼

▼用語の意味知らなくて大丈夫?▼

建築学生が学ぶ「構造力学」の用語集

▼同じカテゴリの記事一覧▼

▼カテゴリ一覧▼

▼他の勉強がしたい方はこちら▼

建築構造がわかる基礎図解集

noteで学ぶ建築士試験の構造

ゼロから建築士試験の構造を勉強しよう~!

ゼロから学ぶ建築士試験の構造

【好評】LINEで質問!

管理人に質問してみる?

友だち追加

わかる1級建築士の計算問題解説書

計算の流れ、解き方がわかる!1級建築士【構造】計算問題解説集

【初回資料が今だけ無料!】1日約13円で情報をアップデート!

有料メルマガを無料で見てみませんか?⇒ 忙しい社会人、学生のためのビルディング・アップデート

わかる2級建築士の計算問題解説書!

【30%OFF】一級建築士対策も◎!構造がわかるお得な用語集

建築学生が学ぶ「構造力学」の用語集
pdf版の学習記事

更新情報

プロフィール

建築の本、紹介します。▼

すぐにわかる構造力学の本

▼【好評!】管理人おすすめ▼

同じカテゴリの記事一覧

Topへ >>

  1. HOME > 鋼構造の基礎 > 鉄骨はどんな材料?3分でわかる鉄骨材料の性質、種類、耐火被覆との関係
  2. 1級の過去問(計算)解説
  3. 限定メルマガ
  4. わかる建築構造の用語集・図解集
  5. 1頁10円!PDF版の学習記事