この記事の要点
鉄骨造の庇や片持ちバルコニーで「スパンをもっと伸ばしたい」という要求が来たとき、たわみと応力の両方から限界を把握しておく必要がある。
片持ち梁は先端たわみが単純梁より格段に大きく、スパン設定が設計の肝になる。
この記事では鉄骨片持ち梁の意味・スパンの目安・たわみの特性・庇への適用方法を解説する。
この記事では、鉄骨の片持ち梁とは何かを整理します。
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片持ち梁は鉄骨造で庇・バルコニー・屋根の張り出し部分を支える重要な構造部材です。
鉄骨造では外周部の柱の外に屋根、庇、床をつくる場合、一般に片持ち梁により支えます。
片持ち梁は単純梁などと比べて応力、たわみが大きく、特に「たわみ」には注意が必要です。
また、一般の床を支える場合、スパンが2m以上の片持ち梁の設計は注意が必要です。
今回は、鉄骨片持ち梁の意味、スパン(長さ)、庇と鉄骨片持ち梁の関係について説明します。
片持ち梁、鉄骨造の詳細は下記が参考になります。
片持ち梁とは?固定端・自由端・曲げモーメント・たわみをわかりやすく解説
S造(鉄骨造)とは?意味・メリットと大スパン・外壁・マンションへの適用(RC造との違い)
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鉄骨造では外周部の柱の外に屋根、庇、床をつくる場合、一般に片持ち梁を設けます。片持ち梁は、構造力学では1つの支点を固定端とした梁です。鉄骨造の片持ち梁を作る場合は
① 柱と片持ち梁を剛接合する
② 受け梁と片持ち梁を剛接合し、反対側のスパンまで片持ち梁を延長する
方法があります。②の方法を下図に示します。受け梁と片持ち梁を剛接合しただけだと、受け梁に作用する曲げモーメントが処理できずねじれるため、必ず反対側のスパンまで梁を延長します。要するに、構造的に天秤の状態にして安定させます。
鉄骨片持ち梁のスパン(長さ)は応力およびたわみにより決定します。特に、片持ち梁は「たわみ」の影響が大きいため、スパンが2m以上になる場合、注意が必要です。
また、応力およびたわみは床荷重の大きさに左右されます。屋根または庇を支える鉄骨片持ち梁の場合、スパンを長くしても問題無いこともありますが、一般の床荷重を見込む場合は、2m以上のスパンにすると、かなり大きな梁せいが必要です。
なお、どうしても鉄骨片持ち梁にする必要がある場合(先端に柱を建てたくない場合)は、鉄骨片持ち梁の上からブレースで吊る方法もあります。梁の先端からブレースで吊れば、2点以上支持されるため、片持ち梁と比べて自由にスパンを設定できるでしょう。
ただし、鉄骨梁およびブレースとつながる柱にはブレースによる軸力が追加される点に注意します。
鉄骨造の庇は単独で設置できません。そのため、庇を受けるための鉄骨片持ち梁や鉄骨小梁、水平ブレースなどが必要になります。
混同しやすい用語
片持ち梁(かたもちばり)と単純梁(たんじゅんばり)は混同しやすい。
単純梁は両端ピン支持、片持ち梁は一端固定・他端自由端の構造で、発生する曲げモーメント分布が大きく異なる。
鉄骨の片持ち梁を整理した表を示します。
| 項目 | 片持ち梁の特徴 | 単純梁との比較 |
|---|---|---|
| 支持条件 | 一端固定・他端自由 | 両端ピン支持 |
| たわみ(集中荷重) | PL3/3EI(先端) | PL3/48EI(中央) |
| 主な用途 | 庇・バルコニー・屋根 | 一般の床・屋根梁 |
今回は、鉄骨の片持ち梁について説明しました。鉄骨造では、外周部の柱の外に屋根、庇、床をつくる場合、片持ち梁が必要です。まずは片持ち梁の意味、たわみ、応力の計算を勉強しましょう。下記をご覧ください。
片持ち梁とは?固定端・自由端・曲げモーメント・たわみをわかりやすく解説
片持ち梁の応力計算|曲げ応力・せん断応力の公式と単純梁との比較
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
片持ち梁はたわみが大きくなりやすいため、梁成(断面の高さ)を大きくしたり、反力を増やす対策が必要です。
庇やバルコニーの設計で頻出の知識です。