この記事の要点
建築のGL、SL、FLの違いは、高さをどこで見るかです。GLは地盤面、SLはスラブ天端、FLは床仕上げ面を表します。
建築図面では、地盤・構造床・仕上げ床の高さを区別するために使います。CHはFLから天井下端までの高さです。
この記事では、GL、SL、FLの違い、CHとの関係、図面でどこを見るべきかを順番に整理します。
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建築図面では、建物の高さをGL、SL、FL、CHなどの記号で表します。
LはLevelの略です。
これらはすべて高さに関する記号ですが、見ている場所が違います。
GLは地盤、SLは構造床、FLは仕上げ床、CHは天井高さを確認するときに使います。
ここからは、SL、GL、FL、CHの意味を順番に確認していきます。
まずは、構造床の高さを表すSLから見ていきましょう。
理解に役立つ前提知識
GL、SL、FL、CHの違いを理解するには、スラブと階の意味を押さえておくと読みやすくなります。
・SLの前提知識:スラブってなに?スラブの意味と特徴、役割
・FLや階の前提知識:建築物の層とは?階との違い、使い方、構造計算
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SLはスラブの天端(構造的な床の天端)を表します。SLは、英語のSlab Levelを略した用語です。下図をみてください。このように高さ寸法と、SL表記があれば「スラブまでの高さ」がわかります。
※スラブとは、一般的に鉄筋コンクリート床のこと。スラブについては下記の記事が参考になります。
スラブってなに?現役設計者が教えるスラブの意味と、特徴、役割
SLはスラブの天端ですが、構造的な床の天端ともいえます。構造的な床とは、人や机などの重量を支える構造部材です。
一方、フローリングなど普段歩く床は「構造部材では無い」のです。フローリングは簡単に傷ついたり、焼けますよね。それらは仕上げ材といって、美観、居住性のために設けられています。
さて、重要なポイントなのでもう一度いいます。
SLはスラブの天端(構造的な床の天端)
覚えておきましょう。では、仕上げ材の天端はなにか。後述するFLと関係します。構造図は構造部材の大きさ、位置関係を描くのでSLをおさえます。
また屋根レベルは、「RSL」と表記します。
GLは地盤(設計地盤)のレベルを表します。英語でGround Levelを略した用語です。
「地盤(地面)のレベルなんて、わざわざ表記しなくてもわかるのでは?」
と思いますよね。それは違います。
建物を新築するとき、元々の地盤を削って低い位置に建物をつくることもあります。逆に土を盛って(盛土して)建物を高い位置につくる場合もあるのです。下図をみてください。
よって「設計では地盤のレベルをこの位置で考えているよ」と表記すべきで、それが「GL」です。そのためGLを「設計地盤」「設計GL」といいます。
元の地盤と設計地盤が大きく変わるとき、両者の関係が分かるよう図面に表記します。もちろん元々の地盤と設計地盤が同じにすることもあります。
地盤のレベルは、「ベンチマーク」の高さを基準に決定します。ベンチマークの意味は、下記が参考になります。
GLには3種類あります。
それぞれ用途が異なるため、混同しないよう整理しておきましょう。
| 種類 | 意味 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 現況GL | 工事前の現地の地盤面の高さ | 測量・敷地調査の基準 |
| 設計GL | 建物を建てるにあたって設定した地盤面(工事後の地盤面) | 建物の高さ・基礎の根入れ深さの基準 |
| 平均GL | 建物周囲の地盤面を平均した高さ(建築基準法の規定による) | 道路斜線・日影規制など高さ制限の計算基準 |
実務では設計GLを基準に建物の高さや基礎深さを決定します。一方、建築基準法上の高さ制限を計算するときは平均GLを使います。現況GLと設計GLが大きく異なる場合は、図面に両者の関係を明記します。
FL は床の天端を表します。英語でFloor Levelを略した用語です。SLと混同しないよう注意しましょう。前述したようにSLは構造的な床の天端、FLは床の天端です。下図をみるとわかりやすいです。
FLは建築図面の基本となる高さです。意匠図に関わらず、構造図や設備図にも明記します。FLは各階の床レベルで明記します。2階の床は2FL、1階なら1FLです。
階の意味は、下記の記事が参考になります。
建築物の層とは?1分でわかる意味、階との違い、使い方、構造計算
CHはFLから天井下端を表します。英語でCeiling Heightを略した用語です。前述したFLやSLの高さは、実際問題、私たちの生活にさほど影響しません。
一方、天井までの高さを表したCHは、部屋の広さに直接関係します。CHが高い=天井が高いので、「広い部屋だな」と感じます。覚えてしまえば簡単です。
これから家づくりする方は、現在お住まいの部屋の中からメジャーでCHを計測することもできますね。
各レベルは図面で下図のように描きます(CHは省略します)。
寸法線を引き出して、「△GL(▽GL)」という描き方は共通です。
混同しやすい用語
GL(グランドレベル)
建物周囲の地盤面の高さ基準です。
建物の高さや掘削深さはGLを基準に表記します。
FL(フロアレベル)
各階の床仕上げ面の高さです。
FLとGLの差が床の高さ(地盤から床面までの高さ)になります。
SL(スラブレベル)・CH(天井高さ)
SLはコンクリートスラブ上端の高さ、CHは床仕上げ面から天井面までの高さです。
FLとSLは仕上げ厚の差があります。
| 記号 | 正式名称 | 意味 | 基準面 |
|---|---|---|---|
| SL | Slab Level | コンクリートスラブ(構造床)の天端 | スラブ上端 |
| GL | Ground Level | 設計地盤面(設計上の地面の高さ) | 設計地盤面 |
| FL | Floor Level | 床仕上げ面の天端(各階の床レベル) | 各階の仕上げ床面 |
| CH | Ceiling Height | FLから天井下端までの高さ | FL基準の天井高さ |
| RSL | Roof Slab Level | 屋根スラブの天端 | 屋根スラブ上端 |
今回はGL、SL、FLについて説明しました。
各レベルの位置関係は建築の基本です。
設計、管理など職種に関わらず覚えておくとよいでしょう。
スラブ、ベンチマーク、階の意味など、下記の記事も併せて参考にしてくださいね。
スラブってなに?現役設計者が教えるスラブの意味と、特徴、役割
建築物の層とは?1分でわかる意味、階との違い、使い方、構造計算
【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
GL、SL、FLは、構造計算の公式として覚えるというより、製図試験や図面読解で「どの高さを見ているか」を間違えないために重要な用語です。
実務経験を積むと、GLは地盤、SLは構造床、FLは仕上げ床という違いは自然と身につきます。
ただし、図面上でSLとFLを取り違えると、仕上げ厚や階高、天井高さの読み取りがずれてしまいます。
特にSLとFLは混同しやすいので、図面を見るときは、これは構造床の高さなのか、仕上げ床の高さなのかを確認する意識が大切です。