この記事の要点
建物に地震が作用すると、引き抜き側の柱に引張軸力(変動軸力)が生じることがあります。通常は圧縮しか受けない柱でも、地震時に引張になると基礎の引き抜き問題が発生します。変動軸力の大きさは水平力×柱間距離/柱間隔で概算できます。
このページでは変動軸力の意味・求め方・引き抜きへの影響と、柱・杭の設計での考慮方法を解説します。
鉄筋コンクリート造は、重量が重いので変動軸力の影響が大きいです。
この記事では、変動軸力とは何か、どう求めるのか、鉄筋コンクリート造とどう関係するのかを整理します。
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変動軸力(へんどうじくりょく)とは、水平力(地震力や風圧力)により柱に生じる軸力です。鉄筋コンクリート造は、重量が重いので変動軸力の影響が大きいです。今回は変動軸力の意味、求め方、柱、杭、鉄筋コンクリート造との関係について説明します。
軸力の意味は、下記が参考になります。
軸方向力とは?1分でわかる意味、読み方、軸力との違い、求め方、圧縮
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変動軸力(へんどうじくりょく)は、水平力により柱に生じる軸力です。水平力の種類として、地震力や風圧力があります。下図をみてください。これが変動軸力です。
変動軸力は、水平力が大きいほど「大きな値」になります。また、中柱より側柱の方が、変動軸力は大きいです。下図をみてください。3本柱をもつラーメン構造で、水平力が作用します。
中柱に作用する変動軸力は打ち消し合うので、ほとんど0になります。一方、側柱に生じる変動軸力は、そのまま残ります。
変動軸力が大きい高層建物では、中柱ではなく側柱および側柱の梁に注意が必要です。中柱、側柱の意味は、下記が参考になります。
下図の単スパンラーメン構造を示します。変動軸力を計算しましょう。
水平力がQ、高さがh、スパンがLのとき、変動軸力は下式で求めます。
N=Q×h÷L
水平力により生じるモーメントを偶力置換する、と考えても良いですね。偶力の意味は、下記が参考になります。
偶力(ぐうりょく)とは?意味・モーメントの公式・求め方をわかりやすく解説
建物の構造設計を行うとき、
長期荷重
短期荷重
を考慮します。短期荷重の中には、地震力や風圧力があります。柱の設計を行うとき、長期軸力と変動軸力を考慮します。高層の建物や、自重の大きな建物は、変動軸力の影響を無視できません。
下図のように、杭にも水平力が生じます。この水平力によるモーメントを、鉛直方向の軸力に置換する(偶力に置換)考え方は、前述と同じです。
杭に作用する曲げモーメントは、下記の記事も参考になります。
鉄筋コンクリート造は、自重が大きいです。地震力は建物の自重に比例するので、鉄筋コンクリート造は変動軸力が大きくなります。
特に側柱は、
曲げモーメントが大きい
変動軸力が大きく、長期軸力が小さいため、引き抜き力が生じやすい
特徴があります。杭の設計と併せて注意したいですね。
混同しやすい用語
変動軸力(へんどうじくりょく)
地震力や風圧力などの水平力により柱や杭に生じる軸力です。
側柱に大きく生じ、引き抜き力の原因になります。
長期軸力(ちょうきじくりょく)
建物の自重・積載荷重など常時作用する荷重による軸力です。
変動軸力と組み合わせて柱の設計を行います。
軸方向力(じくほうこうりょく)
部材の軸方向(長さ方向)に作用する力の総称です。
変動軸力はその一種であり、軸方向力には圧縮と引張があります。
変動軸力を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 変動軸力 | 水平力により柱に生じる鉛直方向の力 | N=Q×h÷L |
| 中柱 | 変動軸力が打ち消し合いほぼ0 | 側柱より影響小 |
| 側柱 | 変動軸力が大きく引き抜き力が生じやすい | RC造で特に注意 |
今回は変動軸力について説明しました。意味が理解頂けたと思います。変動軸力は、水平力により生じる鉛直方向の力です。変動軸力の特徴、中柱、側柱との関係も理解しましょう。下記の記事も参考になります。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。
