この記事の要点
建築で使う冗長性とは、建物の構造的な余裕のことです。
冗長性が高い建物ほど、崩壊しにくいです。
この記事では、冗長性とは何か、読み方、建築構造での意味、冗長性を持たせるにはどのような手順で行うのかを整理します。
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冗長性とは、建物の構造的な余裕のことです。
冗長性が高い建物ほど、崩壊しにくいです。
冗長性は、「じょうちょうせい」と読みます。
今回は冗長性の意味、読み方、建築での使い方、冗長性を持たせる方法について説明します。
冗長性と関係する用語として、静定構造物や不安定構造物があります。
詳細は、下記の記事が参考になります。
不安定構造物とは?意味・判別法・反力の数と安定構造物との違い
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冗長性とは、建物の構造的な余裕のことです。冗長性が高い建物ほど、地震時に崩壊しにくいです。例えば、ある建物の1つの柱が壊れました。
それでも建物が崩壊しない性質が、冗長性です。または「冗長性がある建物」といいます。逆に、1本の柱が壊れただけで、建物全体が崩壊することを、「冗長性が無い」といいます。
構造物には、静定構造と不静定構造があります。静定構造は、力のつり合いから反力や応力が計算できる構造です。計算の簡単な構造物ですが、1つの支点が壊れるとただちに崩壊します。
静定構造物は、冗長性のない構造です。一方、不静定構造物は冗長性があります。静定構造物の意味などは、下記の記事が参考になります。
不安定構造物とは?意味・判別法・反力の数と安定構造物との違い
冗長性の読み方は、「じょうちょうせい」と読みます。なお英語をカタカナ読みして、「リダンダンシー」という方もいます。
建築では、前述した「構造物の安定性」に対して冗長性という用語を使います。その他、建物のデザインに冗長性を使うこともあります。
建物の構造に、冗長性を持たせるには、支点を増やします。片持ち梁は支点が1つです。この支点が壊れると、構造物は直ちに崩壊します。支点を増やしておけば、1つの支点が壊れても、すぐには崩壊しません。
4本柱の建築物は、1つの柱が壊れると安定性を欠きます。建築基準法では、4本柱の構造物に対して(法では、20%以上の長期荷重を支持する柱と明記ある)、地震力を1.25倍するか、斜め方向の加力に対して検討することを規定しています。
また片持ち梁では、鉛直震度1Gを考慮して問題ないことを確認します。鉛直震度は、下記の記事が参考になります。
混同しやすい用語
静定構造物
力のつり合いから反力・応力を計算できる構造で、支点が最小限のため冗長性がない。
1つの支点が壊れると直ちに崩壊する点が不静定構造物と大きく異なる。
不静定構造物
支点・部材が静定状態より多く、1箇所が壊れても荷重を再分配できる構造。
冗長性があるため崩壊しにくいが、計算が複雑になる。
不安定構造物
支点が不足して荷重に抵抗できず、ごくわずかな力でも移動・回転してしまう構造。
冗長性以前の問題であり、構造として成立しない点が冗長性のない静定構造物とも異なる。
冗長性に関連する主な項目を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 冗長性 | 構造物の余裕・安定性の程度 | 高いほど崩壊しにくい |
| 静定構造 | 冗長性がない構造 | 1支点崩壊で全体崩壊 |
| 不静定構造 | 冗長性がある構造 | 荷重再分配が可能 |
今回は冗長性について説明しました。
意味が理解頂けたと思います。
冗長性は、構造物の余裕(安定性)のことです。
冗長性が大きい建物ほど、崩壊しにくいです。
ただし、冗長性を大きくしすぎると、経済的に無駄となります。
安全性と経済性のバランスが重要です。
冗長性と関係する用語として、静定構造、不安定構造などがあります。
下記の記事が参考になります。
不安定構造物とは?意味・判別法・反力の数と安定構造物との違い
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
冗長性に関する問題は建築士試験の構造分野で出題されます。
定義と計算の両面から理解しておきましょう。
冗長性の定義・適用条件・計算式は建築士試験の構造分野で出題される基本事項です。
用語の定義を正確に理解したうえで、関連する規準・法令との関係を整理することが大切です。