この記事の要点
長期荷重を担うPC鋼材の張力が時間とともに下がっていくことをリラクセーションといいます。設計時に見込んでいた緊張力が実際には低下するため、プレストレスの損失量として考慮する必要があります。
この記事では、リラクセーションの意味・主な材料ごとの影響と、設計での取り扱いを解説します。
ボルトに導入した軸力や、PC鋼材に導入した張力はリラクセーションに注意します。
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リラクセーションとは、時間と共に導入した力が抜ける現象です。ボルトに導入した軸力や、PC鋼材に導入した張力はリラクセーションに注意します。今回はリラクセーションと材料の関係、意味、鋼材、コンクリートの関係について説明します。
似た用語に、クリープや変形増大係数があります。下記の記事も参考になります。
コンクリートのクリープとは?原因・たわみへの影響・変形増大係数を解説
変形増大係数とは?1分でわかる意味、木造、コンクリート、鉄骨の値
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リラクセーションとは、時間と共に導入した力が抜けることです。例えば、下記の現象があります。
高力ボルト ⇒ リラクセーションにより、高力ボルトに導入した軸力が抜ける。ボルトが緩む。
PC鋼材 ⇒ リラクセーションにより、PC鋼材に導入した張力が抜ける。PCに所定の圧縮力が入らない。
リラクセーションは、時間の経過と共に力が抜けるので、それを見越した設計が必要です。
鋼材を高力ボルトで締めるとき、リラクセーションの影響は少ないです。鋼材はクリープが起きにくい材料だからです。建築物の構造設計では、クリープの影響は「変形増大係数」という形で考慮されます。詳細は、下記の記事が参考になります。
変形増大係数とは?1分でわかる意味、木造、コンクリート、鉄骨の値
コンクリートに高力ボルトを締める時、リラクセーションの影響があります。コンクリートはクリープを起こし、時間と共に変形が増大する影響で、導入力が抜けるからです。
なお、高力ボルトの導入軸力はリラクセーションや、施工誤差を考慮して1割増しの値とします。これを標準ボルト張力といいます。1割増しする前の張力は、設計ボルト張力です。標準ボルト張力、設計ボルト張力の意味は、下記の記事が参考になります。
標準ボルト張力とは|F8T・F10Tの規格値と設計ボルト張力との違いを解説
設計ボルト張力とは?高力ボルトの耐力計算と標準ボルト張力の使い方コンクリートはクリープが起きやすい材料です。コンクリートのクリープは、下記の記事が参考になります。
コンクリートのクリープとは?原因・たわみへの影響・変形増大係数を解説
混同しやすい用語
リラクセーション vs クリープ
リラクセーションは時間とともに導入した力(応力)が減少する現象で、クリープは一定の力(応力)のもとで時間とともに変形が増大する現象です。
どちらも時間依存の変化ですが、変化する量が異なります。
標準ボルト張力 vs 設計ボルト張力
設計ボルト張力は設計上必要なボルトの張力で、標準ボルト張力はリラクセーションや施工誤差を見越して設計ボルト張力の1割増しとした値です。
実際の施工では標準ボルト張力を導入します。
リラクセーションを整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| リラクセーションとは | 時間とともに導入した力が抜ける現象 | クリープと類似 |
| 高力ボルトへの影響 | 導入軸力が抜けてボルトが緩む | 標準ボルト張力は1割増し |
| PC鋼材への影響 | 導入した張力が抜けプレストレスが低下 | 設計で見越した対応が必要 |
今回はリラクセーションについて説明しました。
意味が理解頂けたと思います。
リラクセーションは、導入した力が抜ける現象です。
高力ボルトの導入軸力や、PC鋼材の張力に注意します。
下記の記事も併せて参考にしてくださいね。
コンクリートはクリープが起きやすい材料だという点も勉強しましょう。
コンクリートのクリープとは?原因・たわみへの影響・変形増大係数を解説
プレテンション方式とは?特徴・PC鋼材の緊張順序とポストテンション方式との違い
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
リラクセーションと材料の関係は?に関する問題は建築士試験の構造分野で出題されます。
定義と計算の両面から理解しておきましょう。
試験ではコンクリートの設計基準強度Fc・調合管理強度・品質基準強度の区別と適用が問われます。
「設計基準強度≦品質基準強度≦調合管理強度」の大小関係を理解しましょう。