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鉄骨造の柱に角柱が多いのはなぜ?|強度・耐震・施工性から見た理由

この記事の要点

鉄骨造の柱に角形鋼管(角柱)が多く使われるのは、断面性能がX・Y両方向で均等に高く、地震のどの方向にも対応しやすいからです。

円形鋼管と比べると梁との溶接接合がしやすく、ダイアフラムの取り付けも容易です。

設計事務所で鉄骨ラーメン構造の設計をしていたとき、角形鋼管(BCR295・BCP325)の選定は標準的な選択肢でした。

コスト・施工性・耐震性のバランスが良く、特に高層建物では冷間成形角形鋼管が広く使われています。

丸柱(円形鋼管)は美しい外観が得られますが、梁との接合が難しくコストも高くなります。

断面性能・施工性・コストのバランスから角柱が選ばれます。

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鉄骨造の柱は、ほとんどが角柱です。角柱とは、四角形の柱です。角柱を使う理由は、簡単にいうと「地震に強い」からです。今回は、鉄骨造の柱で角柱が多い理由、鉄骨造の柱の種類と特徴、角柱の種類について説明します。


※当記事では、柱の断面性能を「強さ」という表現で説明しています。強さと断面性能は、やや異なる表現ですが、説明を簡単にする工夫ですのでご了承ください。

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角柱は地震に強い

角柱を使う理由を簡単にいうと、他の柱に比べて「地震に強いから」です。下図をみてください。角柱とH形柱があります。矢印の方向に力が作用したとき、どちらの柱が強そうですか?

角柱とH形柱

何となく角柱の方が強そうですよね。角柱は、X、Y方向のどちらから力が作用しても「強さ(本当は断面性能ですが、ここでは簡単に強さといいます)」は同じです。


一方、H形鋼は「力の作用する方向」によって強さが違います。建築では、方向毎に断面性能が違う場合、XまたはY方向を「強軸、弱軸」といいます。強軸、弱軸については下記の記事が参考になります。

強軸ってなに?1分でわかる強軸と弱軸の違い、それぞれの特徴


地震はどの方向からくるかわかりません。どの方向から地震がきても大丈夫な柱が望ましいです。


よって「角柱」がベターです。また、角柱なので施工性が良いメリットもあります。


後述する丸柱やH形柱は、角柱に比べて強さは劣ります。ただ建築物の条件に合えば、使うことがあります。

鉄骨造の柱の種類と特徴

鉄骨造の柱形状の種類を下記に整理しました。


です。それぞれの特徴について説明します。

角柱

角柱の特徴は前述した通りです。


・方向性が無いので強い

・施工性が良い


角柱の規格は、下記が参考になります。

冷間成形角形鋼管(コラム)とは|BCR・BCP・STKRの違いと柱材

角鋼の規格が丸わかり!角鋼の種類、サイズ、断面性能、用途

丸柱

丸柱は、下図のように円形の柱です。

丸柱

丸いので、ぶつかっても怪我がしにくいです。また角柱に比べると、見た目がよいので、柱の形が外部にみえる建物に使います。例えば駐輪場の上屋、庇受けの柱などです。


・ぶつかっても怪我しにくい(角がない)

・見た目が良い


ただし、角柱に比べて弱いので大きな力が作用する場合、大きな柱が必要になります。丸柱の規格については、下記の記事が参考になります。

STK400とは?一般構造用炭素鋼鋼管の規格・サイズとSTKNとの違い

H形柱

H形柱は、H形状の柱です。下図をみてください。

H形柱

前述したように方向性があります。弱い方向に力が作用すると、簡単に変形します。ただし、H形柱は角柱に比べて「軽い」のです。よって軽微な建物や、「とにかくコストを下げたい」建物ではH形柱を使います。


見た目にこだわらない工場などは、柱をH形柱にすることも多いです。

・重量が小さいので、安い(鉄骨は重量によりコストが決まる)

角柱の種類

角柱には主に下記の種類があります。


・BCR

・BCP

・STKR

・角鋼


BCR、BCP、STKRは冷間成形角形鋼管といいます。詳細は下記が参考になります。

冷間成形角形鋼管(コラム)とは|BCR・BCP・STKRの違いと柱材


角鋼とは、角型の鉄筋と考えてください。柱として使う機会は少ないです。角鋼の規格は、下記の記事が参考になります。

角鋼の規格が丸わかり!角鋼の種類、サイズ、断面性能、用途

混同しやすい用語

角形鋼管(コラム)

角形鋼管とは、断面が正方形または長方形の中空鋼管のことです。

X・Y両方向に均等な断面性能をもち、鉄骨造の柱として広く使われます。

円形鋼管(パイプ)

円形鋼管とは、断面が円形の中空鋼管のことです。

全方向均等な断面性能をもちますが、梁との溶接接合が難しくコストが高いため、意匠上の理由で採用されることが多いです。

鉄骨造の柱の種類を整理した表を示します。

柱の種類特徴主な用途・備考
角柱(角形鋼管)X・Y両方向に均等な断面性能。施工性が良い一般的な鉄骨造に最もよく使われる
丸柱(円形鋼管)外観が美しく怪我しにくい。梁接合が難しい駐輪場上屋・庇受け柱などに使用
H形柱方向性があり弱軸方向が弱い。軽量でコスト低工場・倉庫など外観にこだわらない建物

まとめ

今回は、鉄骨の柱で角柱が多い理由を説明しました。角柱の多い理由が分かって頂けたと思います。余裕がある方は、丸柱やH形柱の特徴まで理解するといいですね。

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理解度チェック

Q.

鉄骨造の柱に角柱(角形鋼管)が多く使われる理由を説明してください。

答えを見る

角形鋼管はX・Y両方向で断面性能が均等に高く、地震がどの方向から来ても対応しやすいためです。さらに梁との溶接接合がしやすく施工性が良い点もメリットです。H形鋼は力の作用方向で強さが違い強軸・弱軸があります。

Q.

鉄骨造の柱の3種類(角柱・丸柱・H形柱)の特徴を説明してください。

答えを見る

角柱(角形鋼管)はX・Y両方向に均等な断面性能で施工性が良く最もよく使われます。丸柱(円形鋼管)は外観が美しく怪我しにくいが梁接合が難しくコストが高いです。H形柱は方向性があり弱軸が弱いが軽量でコストが低く、工場・倉庫などに使われます。

Q.

角柱(角形鋼管)の主な種類を答えてください。

答えを見る

BCR・BCP・STKR(いずれも冷間成形角形鋼管)と角鋼があります。角鋼は柱として使う機会は少ないです。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

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