この記事の要点
一面摩擦は摩擦面が1ヶ所の高力ボルト摩擦接合で、施工が簡単かつ比較的高い耐力が得られるため実務で最も一般的に用いられる。
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一面摩擦とは、摩擦面の数が一面の摩擦接合を言います。鋼材の両面が摩擦接合となる場合は、二面摩擦です。今回は一面摩擦の意味、二面摩擦との違い、計算法、摩擦接合との関係について説明します。
※摩擦接合は下記が参考になります。
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一面摩擦とは、摩擦面の数が1ヶ所の摩擦接合です。下図をみてください。これが一面摩擦です。
実務では、一面摩擦のほうが一般的な接合方法です。下図は小梁の接合部です。
小梁はガセットプレートと小梁(主にH形鋼)を高力ボルトで接合しますが、一面摩擦で留めます。一面摩擦は施工が簡単かつ、比較的高い耐力がとれます。小梁、摩擦接合については下記が参考になります。
但し、接合部の耐力が足りない場合は、二面摩擦とします。二面摩擦は、一面摩擦の倍の耐力が確保できるからです。
一面摩擦と二面摩擦は下記の違いがあります。
またそれぞれの特徴は下記です。
下図に一面摩擦と二面摩擦を描きました。
一面摩擦と各径の高力ボルトの許容せん断力(F10Tで長期の値)は下記の関係です。
※短期時の値は、上記を1.5倍します。二面摩擦時の許容せん断力は一面摩擦の値を2倍すればよいです。
上記の値は、設計ボルト張力Toや高力ボルトの基準強度F、高力ボルトのネジ部の断面積Ae、摩擦係数などから算定します。
下式をみてください。これが設計ボルト張力を求める式(短期時の値)です。
Fは高力ボルトの基準強度で、F10Tの場合900N/m㎡です。またネジ部の断面積は概算で、下式で計算します。
Abはボルト軸部の断面積です。
さて、高力ボルトの許容せん断力は下式より計算します。
高力ボルト、設計ボルト張力は下記が参考になります。
設計ボルト張力とは?1分でわかる意味、計算、標準ボルト張力、高力ボルトの関係
高力ボルトの規格では、摩擦係数を0.45以上にすることが必須です。摩擦係数は下記が参考になります。
すべり係数とは?すべり係数と摩擦係数の違い、すべり耐力とすべり試験
よって、短期時の許容せん断力qは下式です。
です。
以上が、短期時の高力ボルトの許容せん断力です。これを長期時の値に直す場合、1/1.5を乗じればOKなので、長期許容せん断力は
です。M16の長期許容せん断力は、
です。※M16の軸断面積は201m㎡(8*8*3.14=201)
二面摩擦では、前述した摩擦係数0.45が2倍になるので、
です。
混同しやすい用語
二面摩擦
摩擦面が2ヶ所ある高力ボルト接合形式。一面摩擦より耐力が大きいが、構成が複雑になる点で一面摩擦とは異なる。
一面摩擦を整理した表を示します。
| 項目 | 一面摩擦 | 二面摩擦 |
|---|---|---|
| 摩擦面の数 | 1面 | 2面 |
| 許容せん断耐力 | 基準値(例:M16で30.2kN) | 一面摩擦の2倍 |
| 施工性 | 簡単・一般的 | 複雑・高耐力用途 |
今回は一面摩擦について説明しました。一面摩擦の意味が理解頂けたと思います。一面摩擦はとても一般的な接合方法です。許容せん断力と設計ボルト張力、摩擦係数との考え方を覚えておきたいですね。下記も参考になります。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
建築士試験では、一面摩擦と二面摩擦の耐力比較(二面摩擦は一面摩擦の2倍)と、実務での一面摩擦の一般性が問われます。