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摩擦面処理をご存じでしょうか。構造設計に詳しい人なら当たり前のことですが、意匠の方ましてや一般の方は知らない人が多いでしょう。今回は、摩擦面処理がわかる2つのポイントと、摩擦面処理の種類を説明します。
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摩擦面処理とは、「鉄骨部材の高力ボルト接合部の表面をザラザラにすること」です。
下図をみてください。大梁と小梁の接合部を示しました。茶色部分が大梁と小梁です。赤色がガセットプレートと小梁を高力ボルトで接合する部分です。
高力ボルト接合は、ボルトに強力な張力を導入し接合されたプレートと鋼材表面の「摩擦力」によって力を伝達します。※摩擦接合や高力ボルト接合については、下記の記事が参考になります。
摩擦力は、表面がツルツルしていると全く効きません(これはイメージが湧くでしょう)。例えばスケートリンクや凍った雪の上では、足がツルツル滑りますよね?これは凹凸がなくなり、靴裏との摩擦力が無くなるためです。
鋼材は、元々はザラザラしていません。どちらかと言えば、ツルツルしています。この「ツルツル」「ザラザラ」という凹凸の度合いは、専門的に「摩擦係数」という指標で表します。
つまり摩擦面処理は、摩擦係数を高める処理のことです。
摩擦面処理の大切なポイントは2つあります。
1つめは、摩擦係数を0.4以上にすることです。これを満たさない摩擦係数では、高力ボルトの性能を発揮できません。
2つめは、高力ボルトを締める範囲は摩擦面処理をすることです。当然と言えば当然ですが、万が一処理されなかったら大変です。例えば鉄骨の製品検査で、高力ボルト接合部の範囲は摩擦面処理が施されているか確認します。
また、摩擦面処理をした後に溶融亜鉛メッキ処理をした鋼材は0.1~0.3程度の摩擦係数しか得られないという報告があります(先に摩擦面処理をすると、効果が薄れます)。
対処方法として、溶融亜鉛メッキ処理をした後(先に溶融亜鉛メッキをする)に、各メーカーによる摩擦面処理を施すことで0.4以上が確保可能です。※溶融亜鉛メッキは下記が参考になります。
溶融亜鉛メッキとは?すぐに分かる特徴や規格、溶融亜鉛メッキボルト
摩擦面処理の方法は2つあります。
1つめはブラスト処理です。摩擦処理面に、小さな玉(珪砂や、鋼製の玉)を圧縮した空気と共に吹き付けます。ブラスト処理後の摩擦処理面は、光沢が無くなってくもったようになります。下記が参考になります。
ブラスト処理とは?1分でわかる意味、表面粗さ、目的、種類と方法
2つめはリン酸塩処理です。リン酸塩という薬剤を摩擦面に塗布することで、所定の摩擦係数が確保できます。ブラスト処理に比べて手間がかからないので、多用されています。
但し、リン酸塩処理は、雨や雪が降っている屋外では作業禁止です。水分により、薬剤が落ちるからです。同様の理由で摩擦面は十分乾燥させておきます。
今回は摩擦面処理について説明しました。構造計算するとき意識しないので忘れがちですが、理解しておきたいですね。併せて、高力ボルト接合や摩擦接合の仕組みも勉強しましょう。
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