この記事の要点
トグル機構は小さな力で大きな力を生み出す倍力装置であり、2本の部材がなす角度θが90°に近づくほど水平反力Hが大きくなるという特性がある。
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「トグル機構」とは何でしょうか。機械系エンジニアの方は良くご存じ、建築系の方はかろうじて、ということでしょうか。
ウィキペディアによれば、
トグル機構は二つのリンクと一つのスライダーから構成されるリンク機構の一種であり、機械要素のひとつである。トグル機構は倍力機構である点が特徴である。
と書いてあります。トグルは制震ブレースに用いられる機構として知られています。制震ブレースとは、地震力を吸収する装置のこと。よりエネルギー吸収できる装置が優れた制震装置です。
トグルとは、ウィキペディアの説明に書いてあるように、「倍力装置」です。倍力装置は、小さな力で大きな力を生み出す機構のこと。制震装置のように、少しでも大きなエネルギーを吸収するとき都合が良いのです。
元々は、機械の装置で使われていたもの。大砲のネジを締めるとき使われる装置にも利用されているようです。
トグル機構には、色々な形状があります。今回は、最も単純な機構の説明と、荷重と反力(倍力される外力)の算定方法を紹介します。
混同しやすい用語
制震ブレース(せいしんブレース)
制震ブレースは地震エネルギーを吸収する装置全般を指す言葉で、トグル機構はその倍力機構として用いられる部品の一種である。
制震ブレースがエネルギー吸収装置の総称であるのに対し、トグル機構はその増幅機構部分を指す。
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まず下図のトグル機構を考えます。
左支点はローラーです。鉛直力は受けますが、水平方向には留まりません。右支点はピン支点。水平、鉛直方向共に力を受けます。
一見トラスに見えますが違います。左支点がローラーのため、これは構造物として成立していないことがミソです。
さて、真ん中のヒンジに力が作用します。これはPです。Pは、スパンの中央に作用していますから鉛直反力は
P/2
です。次に、2本の部材がなす角度をθと仮定しました。
さて、スパンの中央に仮想の線を垂直に引きます。すると、角度θ/2をなす直角三角形ができますね。左支点はローラーなので、水平方向の反力はでませんが、仮に留めようと思った場合、どのくらいの力が必要でしょうか。
左支点の水平反力をHとするなら、三角関数より下式がわかります。
H/(P/2)=Tan(θ/2)
HとPの関係になおすと、
H/P=1/2×Tan(θ/2)
となります。
角度が90°に近づくにつれて、Hは大きくなる。
先に述べた式を解いていくと、θが90°に近くづくほどHの値は大きくなります。
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トグル機構とは何で、どこに使われますか?
2つのリンクと1つのスライダーから構成されるリンク機構の一種で、小さな力で大きな力を生み出す「倍力装置(倍力機構)」です。地震エネルギーを吸収する制震ブレースの倍力機構として用いられ、より大きなエネルギーを吸収するのに都合が良い特性があります。
トグル機構の角度θと水平反力Hの関係は?
スパン中央のヒンジに力Pが作用するとき、鉛直反力はP/2です。2本の部材がなす角度をθとすると、左支点の水平反力Hは H/P=1/2×Tan(θ/2) で表されます。この式より、角度θが90°に近づくほどHの値は大きくなります。
