この記事の要点
分割モーメントとは、各部材の剛比に応じて分配された曲げモーメントのことです。
固定モーメント法の計算で使います。
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分割モーメントとは、各部材の剛比に応じて分配された曲げモーメントのことです。固定モーメント法の計算で使います。似た用語に到達モーメントがあります。今回は分割モーメントの意味、到達モーメントとの違い、固定モーメント法との関係について説明します。※固定モーメント法の意味、計算は下記の記事が参考になります。
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分割モーメントは、各部材の剛比に応じて分配される曲げモーメントです。下図をみてください。1つの柱に2つの梁が接合されています。3つの部材は剛接合と考えてください。この節点にモーメントが作用するとき、各部材にモーメントが分配されます。これが分割モーメントです。
分割モーメントは、部材の剛比に応じて分配されます。剛比は下式で計算します。
k=K/Ko
K=EI/L
kは剛比、Kは剛度、Koは基準剛度、Eはヤング係数、Iは断面二次モーメント、Lは部材の長さです。剛比、剛度の意味は下記の記事が参考になります。
ヤング係数、断面二次モーメントは下記の記事が参考になります。
断面二次モーメントとは?1分でわかる意味、計算式、h形鋼、公式
剛比が大きい部材ほど、多くのモーメントが分配されます。
分割モーメントが部材に生じると、その曲げモーメントを戻そうとする曲げ戻しの応力が生じます(変形をイメージしましょう)。これが到達モーメントです。下図に分割モーメントと到達モーメントを示します。
到達モーメントと分割モーメントは、下式の関係があります。
Mt=Mb/2
Mtは到達モーメント、Mbは分割モーメントです。なお、片側の支点がピンのとき、到達モーメントは0になります。
分割モーメントは、固定モーメント法の計算で必ず求めます。簡単な例題を通して、分割モーメントの計算を勉強します。下図をみてください。各部材の剛比が分かっています(本来は、剛比の計算も必要)。
節点に生じるモーメントがMのとき、各部材に生じる分割モーメントは下式で計算します。
部材Aに生じる分割モーメント=M×1/6=M/6
部材Bに生じる分割モーメント=M×2/6=M/3
部材Cに生じる分割モーメント=M×3/6=M/2
6という数字は各部材の剛比を合計して求めます。1+2+3=6ですね。つまり、1つの部材の剛比と、ある節点に接合する全部材の剛比の合計との比率を計算したいのです。
※固定モーメント法の計算は、下記の記事が参考になります。
混同しやすい用語
分割モーメントと到達モーメント
分割モーメントは各部材の剛比に応じて分配された曲げモーメントで、到達モーメントは分割モーメントの1/2が隣接部材の遠端に伝わるモーメントです。
固定モーメント法と分割モーメント
固定モーメント法は不静定構造物の解析手法で、計算の過程で分割モーメントと到達モーメントを繰り返し計算します。固定モーメント(固定端反力)とは別の概念です。
曲げモーメントと分割モーメント
曲げモーメントは部材断面に生じる力の総称で、分割モーメントは固定モーメント法で使う計算上のモーメントの一種です。
分割モーメントを整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 分割モーメント | 各部材の剛比に応じて分配された曲げモーメント | 固定モーメント法で使用 |
| 到達モーメント | 分割モーメントの1/2が他端に伝わるモーメント | 分割モーメントの伝播量 |
| 剛比との関係 | 剛比が大きいほど分割モーメントが大きくなる | k = I/L(断面二次モーメント÷材長) |
今回は分割モーメントについて説明しました。意味が理解頂けたと思います。分割モーメントは、各部材の剛比により分配されたモーメントです。分割モーメントの意味、到達モーメントとの違いを覚えましょう。固定モーメント法の計算に必須です。下記の記事も併せて参考にしてくださいね。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
分割モーメントに関する問題は建築士試験の構造分野で出題されます。定義と計算の両面から理解しておきましょう。
試験ではモーメントの種類(曲げ・ねじり)と計算式、部材に生じるモーメントと支点反力の関係が出題されます。
「力×距離=モーメント」の基本から始め、モーメント図の描き方と正負の符号規則を整理しましょう。