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部材種別は保有水平耐力計算で重要な概念です。部材種別はFA~FDまでのランクがあり、これが構造特性係数と関係します。今回は、そんな部材種別の意味と、各種別の違い、トラス梁の部材種別について説明します。※保有水平耐力計算、構造特性係数については、下記が参考になります。
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部材種別は、FA、FB、FC、FDで分類される「ランク」です。何のランク付けか、それは「変形性能」です。FAが最も変形性能の良いランク、FDが変形性能の悪いランクです。構造的にFAは、「靱性がある」、FDは「脆性的」と言えます。※靱性、脆性破壊については下記が参考になります。
また、FB とFCのランクですが、感覚的にFBはやや靱性のある部材種別、FCはやや脆性よりも部材種別と考えても実用上問題ないでしょう。
ちなみにFAのFとは「フレーム(ラーメン構造)」を意味します。
部材種別は各部材毎に設定され、それらを集計して「部材群としての種別」を計算します。部材群の種別はA~Dランクまで設定され、これにより「DS(構造特性係数)」が決まります。※構造特性係数については下記の記事参考になります。
普通、部材や部材群の種別の判定、それらの集計、DS値の算定は一貫計算プログラムにより行われます。
また、部材種別は
・柱、梁
・筋交い(ブレース)
・耐震壁
毎に分類されます。
ここでは鉄骨造を例に、部材種別の判定を明記します。なお、部材群の種別は少々面倒な計算なので敢えて書きません。※詳細が気になる方は、下記の書籍が参考になります。
柱と梁の部材種別は「幅厚比又は径厚比」により決定します。幅厚比は、局部座屈の起きやすさを数値化したものです(とてもザックリ説明しています)。FAランクであれば、局部座屈の恐れはないと判断できます。※幅厚比、局部座屈は下記が参考になります。
前述した「部材種別は変形性能を意味する」という話に置きえてください。FDランクは局部座屈が起きやすい、つまり変形性能が悪い(脆性的である)と分かるでしょう。
また上表とは別に、保有耐力横補剛を満足しない部材がある場合、その梁はFDです。※保有耐力横補剛については下記が参考になります。
鉄骨造はブレース構造もあります。F○ランクとは別にBA、BB、BCランクが設定されています。Bは「ブレース」の英語頭文字をとっています。
ブレース構造は、ラーメン構造に比べて高い耐力を持ちますが、変形性能は良くありません。その観点で言えば、ブレース構造としての種別はラーメン構造よりも低めに設定されています。後述するように、ブレース構造のDsはやや高めになります。※ブレース構造、ラーメン構造については、下記が参考になります。
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さて、部材種別は構造特性係数(以降、Ds)と関係します。種別とDs値の対応は下記が参考になります。
簡単にいうと、
・部材種別がよい(FA)=Dsが低い
・部材種別が悪い(FD)=Dsが高い
です。こちらも詳細は上記の記事を参考にしてください。
トラス梁は部材種別の設定に悩みます。簡単に言うと良く分かりません。そこで、実用上何が行われているか説明します。
トラスには圧縮材、引張材があります。圧縮材は座屈する恐れがある部材です。よって、トラス梁は、線材としてFDランク、Dsは柱、梁部材群の最大値0.4を採用します。
トラス梁に変形性能は無いと考えるのです。最も厳しいDsを採用すれば、必要保有水平耐力が小さく算定されることは無いです。※トラス梁については、下記が参考になります。
前述しましたが、部材種別はDsと関係します。Dsは必要保有水平耐力Qunの算定で用います。Qunは下式でした。
※上式の詳細な説明は下記が参考になります。
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今回は部材種別について説明しました。部材種別の意味が分かって頂けたと思います。FAランクは靱性のある部材種別、FBはやや靱性のある部材種別、FDは脆性的な部材種別、FCはやや脆性よりも部材種別と考えても実用上、問題ないかと思います。部材種別は、構造特性係数と関連します。併せて下記の記事が参考になります。
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