この記事の要点
部材種別(ぶざいしゅべつ)とは、鉄骨部材の変形能力を分類したもので、FA・FB・FC・FDの4種類があります。FAが最も変形能力が高く(最も延性的)、FDが最も低い区分です。
各種別の幅厚比の範囲・トラス梁への適用と、保有水平耐力計算(Ds値算定)での重要性を解説します。
※構造特性係数Dsは施行令第82条の3・告示第1792号に基づきます。下記が参考になります。
構造特性係数Dsの靭性ランクと数値(令第82条の3・告示第1792号)はこちら
部材種別はFA~FDまでのランクがあり、これが構造特性係数と関係します。
この記事では、部材種別とは何か、FA〜FDはどう違うのか、構造特性係数とどう関係するのかを整理します。
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部材種別は保有水平耐力計算で重要な概念です。
部材種別はFA~FDまでのランクがあり、これが構造特性係数と関係します。
今回は、そんな部材種別の意味と、各種別の違い、トラス梁の部材種別について説明します。
※保有水平耐力計算、構造特性係数については、下記が参考になります。
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部材種別は、FA、FB、FC、FDで分類される「ランク」です。
何のランク付けか、それは「変形性能」です。
FAが最も変形性能の良いランク、FDが変形性能の悪いランクです。
構造的にFAは、「靱性がある」、FDは「脆性的」と言えます。
※靱性、脆性破壊については下記が参考になります。
靱性(じんせい)とは?意味・靭性のある材料と建物の耐震性・脆性との違い
また、FB とFCのランクですが、感覚的にFBはやや靱性のある部材種別、FCはやや脆性よりも部材種別と考えても実用上問題ないでしょう。
ちなみにFAのFとは「フレーム(ラーメン構造)」を意味します。
部材種別は各部材毎に設定され、それらを集計して「部材群としての種別」を計算します。部材群の種別はA~Dランクまで設定され、これにより「DS(構造特性係数)」が決まります。※構造特性係数については下記の記事参考になります。
普通、部材や部材群の種別の判定、それらの集計、DS値の算定は一貫計算プログラムにより行われます。
また、部材種別は
・柱、梁
・筋交い(ブレース)
・耐震壁
毎に分類されます。
ここでは鉄骨造を例に、部材種別の判定を明記します。なお、部材群の種別は少々面倒な計算なので敢えて書きません。※詳細が気になる方は、下記の書籍が参考になります。
柱と梁の部材種別は「幅厚比又は径厚比」により決定します。幅厚比は、局部座屈の起きやすさを数値化したものです(とてもザックリ説明しています)。FAランクであれば、局部座屈の恐れはないと判断できます。※幅厚比、局部座屈は下記が参考になります。
前述した「部材種別は変形性能を意味する」という話に置きえてください。FDランクは局部座屈が起きやすい、つまり変形性能が悪い(脆性的である)と分かるでしょう。
また上表とは別に、保有耐力横補剛を満足しない部材がある場合、その梁はFDです。※保有耐力横補剛については下記が参考になります。
鉄骨造はブレース構造もあります。F○ランクとは別にBA、BB、BCランクが設定されています。Bは「ブレース」の英語頭文字をとっています。
ブレース構造は、ラーメン構造に比べて高い耐力を持ちますが、変形性能は良くありません。
その観点で言えば、ブレース構造としての種別はラーメン構造よりも低めに設定されています。
後述するように、ブレース構造のDsはやや高めになります。
※ブレース構造、ラーメン構造については、下記が参考になります。
ブレース構造とは?ラーメン構造との違い・種類と地震力の負担メカニズム(設計上の特徴)
ラーメン構造とは?1分でわかる意味、特徴、由来、メリットとデメリット
さて、部材種別は構造特性係数(以降、Ds)と関係します。種別とDs値の対応は下記が参考になります。
簡単にいうと、
・部材種別がよい(FA)=Dsが低い
・部材種別が悪い(FD)=Dsが高い
です。こちらも詳細は上記の記事を参考にしてください。
トラス梁は部材種別の設定に悩みます。簡単に言うと良く分かりません。そこで、実用上何が行われているか説明します。
トラスには圧縮材、引張材があります。圧縮材は座屈する恐れがある部材です。よって、トラス梁は、線材としてFDランク、Dsは柱、梁部材群の最大値0.4を採用します。
トラス梁に変形性能は無いと考えるのです。最も厳しいDsを採用すれば、必要保有水平耐力が小さく算定されることは無いです。※トラス梁については、下記が参考になります。
トラス構造とは?強さの理由・メリット・デメリット・計算法を解説
前述しましたが、部材種別はDsと関係します。Dsは必要保有水平耐力Qunの算定で用います。Qunは下式でした。
※上式の詳細な説明は下記が参考になります。
必要保有水平耐力とは?算定式Qun=Ds×Fes×Qud・Ds・Fesの意味
根拠・参考
実務では、設計条件・仕様書・適用する規準により確認してください。
混同しやすい用語
部材種別FAとFD
FA(最も靱性が高いランク)とFD(脆性的なランク)は保有水平耐力計算で重要です。
FA~FDの順に靱性が下がり、ランクが下がると構造特性係数Dsが大きくなります。
部材種別と構造特性係数(Ds)
構造特性係数Dsは部材種別(FA~FD)によって変わります。
靱性が高い(FA)ほどDsは小さく、必要保有水平耐力が小さくなります。
FAとFBの違い
FAは「靱性のある部材種別」、FBは「やや靱性のある部材種別」です。
細かなランク区分は軸力比・剪断補強量など部材の詳細条件で決まります。
部材種別を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| FA | 靱性のある部材種別 | 最も靱性が高い |
| FB・FC | やや靱性のある〜やや脆性よりの部材種別 | 中間的なランク |
| FD | 脆性的な部材種別 | 構造特性係数Dsと関連 |
今回は部材種別について説明しました。
部材種別の意味が分かって頂けたと思います。
FAランクは靱性のある部材種別、FBはやや靱性のある部材種別、FDは脆性的な部材種別、FCはやや脆性よりも部材種別と考えても実用上、問題ないかと思います。
部材種別は、構造特性係数と関連します。
併せて下記の記事が参考になります。
【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット
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