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仕様規定は、令第36条の2項に規定される構造方法です。仕様規定は構造計算規準と密接に関係します。例えば許容応力度計算では、令3章1節~7節の2までの仕様規定を適用しますが、保有水平耐力計算または限界耐力計算では除外できる仕様規定もあります。
今回は、構造計算に関わる仕様規定の意味、鉄骨造、基礎構造の仕様規定、性能規定との違いについて説明します。
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仕様規定は、令第36条の2項に規定される各構造方法です。各構造方法は令第3章の1節~7節の2に明記あります。
仕様規定を簡単に言うと、
です。このルールの大元は、建築基準法に規定されるので厳守が必要です。仕様規定は数が多いので全ての説明は省略しますが、鉄骨造と基礎構造の規定を一部説明します。なお、建築基準法施行令第3章の1節~7節を知りたい方は、下記が参考になります。
また仕様規定は、令36条の2項で各構造計算基準と関連付けて規定されます。仕様規定と各構造計算規準の関係は後述しました。
仕様規定と構造計算規準は下記の関係にあります。
最も簡単な計算である、許容応力度計算を行う場合、全ての仕様規定を適用します。例えば鉄骨造の建物なら、鉄骨造に関係する仕様規定を全て考慮します。もちろん鉄骨造なので、組積造などの仕様規定は該当しません。※許容応力度計算については、下記が参考になります。
保有水平耐力計算、限界耐力計算では一部の仕様規定が除外されます。特に限界耐力計算は、耐久性関係規定のみ適用します。※耐久性関係規定については下記が参考になります。
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それでは具体的に鉄骨造と基礎構造の仕様規定を紹介します。
鉄骨造の仕様規定は下記です。
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ここでは鉄骨造に使う材料、細長比などの規定があります。例えば、柱の細長比は200以下、梁は250以下にする規定があります。柱をあまり細くすると座屈が起きやすいですが、これを防ぐためです。
第38条では基礎構造の原則について規定されています。具体的な基礎構造の説明はなく、抽象的な内容です。38条は1項~6項まであります。下記に各項の概要を明記しました。
・1項 ⇒基礎構造の要求事項
・2項 ⇒異種基礎を避けること
・3項 ⇒建築物の構造、地盤の状況を考慮した基礎構造とすること
・4項 ⇒大臣が定める基礎構造の構造計算
・5項 ⇒基礎杭に関する注意点
・6項 ⇒木杭に関する注意点
1項で、下記が規定されます。
基礎が不安定だと、上部構造も不安定です。また基礎は全ての建築物が有する構造部材なので、第1項の規定は厳守します。
第2項は、異種基礎の併用を原則避けることを規定しています。異種基礎とは、例えば下記の基礎などです。
異種基礎は不同沈下の原因となりやすいため原則避けるべき、という規定です。※基礎構造、異種基礎については、下記が参考になります。
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前述したように、保有水平耐力を行うと除外できる仕様規定があります。各規定の概要を下記に示します。
上記の規定が、保有水平耐力時には除外しても良いです。但し、現実として実務では除外することはありません(少なくとも私が担当した物件では、除外した経験がないです)。
覚えておく必要もないですが、一級建築士試験では出題されるので注意してください。※保有水平耐力については、下記が参考になります。
仕様規定とは前述した、各構造および構造材料に関する「ルール」です。ルールに縛られて設計するので、設計者は制約された中で設計を行います。
一方、性能規定は必要な性能のみ規定されます。よって設計者は、必要な性能を満足するよう「自由に」設計が可能です。
仕様規定、性能規定ともに一長一短かと思いますが、日本人は仕様規定が向いている、と私は考えます。「自由にやっていいよ」と言われると、途端に手が止まるのが私たちの気質だと思います(個人的な考えです)。
今回は仕様規定について説明しました。仕様規定の意味が理解頂けたと思います。構造計算の仕様規定は、各構造に規定されるルールと考えてください。特に鉄骨造、基礎構造、RC造の仕様規定は重要です。構造計算に興味がある方は色々と調べてみてくださいね。
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