この記事の要点
ボルトの破断とは、ボルトに作用するせん断力や引張力が破断耐力を超えたときにボルト軸が切断される現象をいう。
高力ボルトの許容せん断耐力は破断耐力をもとに算定されるため、設計用せん断力がこれを超えないよう接合部を設計する必要がある。
【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット
鋼材であるボルトは、破断耐力を超えると破断します。今回はボルトの破断の意味、原因、許容せん断耐力との関係について説明します。破断の意味は、下記が参考になります。
建築物に使うボルトは、主に高力ボルトです。その他、中ボルトやアンカーボルトがあります。下記が参考になります。
中ボルトとは?1分でわかる意味、規格、強度区分、戻り止め、高力ボルト
100円から読める!ネット不要!印刷しても読みやすいPDF記事はこちら⇒ いつでもどこでも読める!広告無し!建築学生が学ぶ構造力学のPDF版の学習記事
ボルトの破断とは、引張力やせん断力を受けた時、耐えきれず千切れる現象です。破断の意味は、下記が参考になります。
ボルトは、建築物の接合部などに使います。接合部は2つの部材を1つにする重要な部分です。接合部が壊れると、建築物は成り立ちません。接合部の意味は、下記が参考になります。
ボルトが破断した場合は、接合部の崩壊につながります。ボルトの破断は絶対に避ける必要があります。
さて、建築物では主に高力ボルトを使います。高力ボルトの破断強度(破断するときの強度)を下記に示します。
F10T(S10T) 1000 N/m㎡
F8T 800 N/m㎡
F10T(S10T)は一般的な高力ボルト、F8Tは溶融亜鉛メッキ高力ボルトです。
※F10T(S10T)、溶融亜鉛メッキ高力ボルトは下記が参考になります。
s10tとは?1分でわかる意味、規格、重量、ピンテール、jisとの関係
溶融亜鉛メッキ高力ボルトとは?1分でわかる意味、規格、f10tとの違い
ボルトの破断の原因に、遅れ破壊があります。これはF11T以上の、高張力ボルトで確認される破断現象です。高い引張力を受けたボルト(高張力鋼)が、ある程度の期間をおいて、突然破断します。遅れ破壊が懸念される高張力鋼ボルトは、あまり使用されません。
私が構造設計の実務に携わった頃は、F10T、F8Tのみ使いました。
ボルトの破断耐力と、許容せん断耐力の計算式を下記に示します。
長期許容せん断耐力 = Fy/1.5√3×Ab
短期許容せん断耐力 = Fy/√3×Ab
破断せん断耐力 = Fu/√3×Ab
Fyは高力ボルトの基準強度で900N/m㎡(F10T)、Fuは破断強度で1000N/m㎡です。
高力ボルトには、主にせん断力が作用します。高力ボルトに生じる設計用せん断力が、上記のせん断耐力を超えないことを確認しましょう。せん断耐力の意味は、下記が参考になります。
せん断耐力とは?1分でわかる意味、求め方、コンクリートの式、単位
混同しやすい用語
破断耐力
ボルトが実際に破断(切断)するときの極限耐力。引張強さFuをもとに算定され、安全率を考慮する前の値。
許容せん断耐力に対して、破断耐力は「壊れる直前の上限値」であり、許容せん断耐力はこれに安全率を掛けて設計に用いる値である点が異なる。
許容せん断耐力
設計で用いるボルト1本あたりのせん断力の上限値。破断耐力を安全率で割って求める。
破断耐力に対して、許容せん断耐力は「設計上使ってよい上限」であり、必ず破断耐力より小さい値になる点が異なる。
ボルトの破断を整理した表を示します。
| ボルト種類 | 破断強度 | 備考 |
|---|---|---|
| F10T(S10T) | 1000 N/mm² | 一般的な高力ボルト |
| F8T | 800 N/mm² | 溶融亜鉛メッキ高力ボルト |
| F11T以上 | 1100 N/mm²以上 | 遅れ破壊のリスクあり・使用回避 |
今回はボルトの破断について説明しました。意味が理解頂けたと思います。接合部をつくるためにボルトが必要です。建築で使う高力ボルトの特徴、破断の意味など併せて勉強しましょう。下記が参考になります。
【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット
この記事の内容を○×クイズで確認する
この記事で学んだ内容は、無料の○×問題集でも確認できます。
意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
建築士試験では、高力ボルトの許容せん断耐力の算定式(破断耐力×0.6÷安全率)や、F10TとF8Tの違いが出題されやすい。
「破断」は接合部の最終的な破壊モードであることを意識すると、摩擦・支圧・破断の3つの接合メカニズムを体系的に理解しやすくなる。