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  1. HOME > 鋼構造の基礎 > ボルトの破断とは?1分でわかる意味、原因、許容せん断耐力との関係

ボルトの破断とは?引張破断・せん断破断の違いと現場での確認ポイント

この記事の要点

鉄骨工事の現場でボルトが破断したとき、引張破断かせん断破断かで原因も対策もまったく異なります。

接合部の設計段階でどちらのモードを想定するかを見誤ると、補修コストが跳ね上がります。

この記事では、ボルトの破断メカニズムを整理し、現場でのチェックポイントを実務目線で解説します。

高力ボルトの許容せん断耐力は破断耐力をもとに算定されるため、設計用せん断力がこれを超えないよう接合部を設計する必要がある。

この記事では、ボルトの破断とは何か、ボルトの破断はなぜ起きるのか、許容せん断耐力とどう関係するのかを整理します。

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鋼材であるボルトは、破断耐力を超えると破断します。今回はボルトの破断の意味、原因、許容せん断耐力との関係について説明します。破断の意味は、下記が参考になります。

破断とは?意味・破断強度と引張強度の違い・破断点をわかりやすく解説


建築物に使うボルトは、主に高力ボルトです。その他、中ボルトやアンカーボルトがあります。下記が参考になります。

高力ボルトとは?読み方・種類(F10T・S10T)・規格・摩擦接合の特徴

中ボルトとは?1分でわかる意味、規格、強度区分、戻り止め、高力ボルト

アンカーボルトとは?柱脚と基礎をつなぐ役割・種類・施工注意点

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ボルトの破断とは?

ボルトの破断とは、引張力やせん断力を受けた時、耐えきれず千切れる現象です。破断の意味は、下記が参考になります。

破断とは?意味・破断強度と引張強度の違い・破断点をわかりやすく解説


ボルトは、建築物の接合部などに使います。接合部は2つの部材を1つにする重要な部分です。接合部が壊れると、建築物は成り立ちません。接合部の意味は、下記が参考になります。

接合部とは?建築鉄骨の種類(柱梁・ブレース・継手)と応力伝達


ボルトが破断した場合は、接合部の崩壊につながります。ボルトの破断は絶対に避ける必要があります。


さて、建築物では主に高力ボルトを使います。高力ボルトの破断強度(破断するときの強度)を下記に示します。


F10T(S10T) 1000 N/m㎡

F8T 800 N/m㎡


F10T(S10T)は一般的な高力ボルト、F8Tは溶融亜鉛メッキ高力ボルトです。


※F10T(S10T)、溶融亜鉛メッキ高力ボルトは下記が参考になります。

S10Tとは?F10Tとの違い・規格(JIS B 1186)とピンテール高力ボルトの締め付け確認方法

溶融亜鉛メッキ高力ボルトとは?F10Tとの違いと屋外・腐食環境での適用

ボルトの破断の原因と遅れ破壊

ボルトの破断の原因に、遅れ破壊があります。

これはF11T以上の、高張力ボルトで確認される破断現象です。

高い引張力を受けたボルト(高張力鋼)が、ある程度の期間をおいて、突然破断します。

遅れ破壊が懸念される高張力鋼ボルトは、あまり使用されません。


私が構造設計の実務に携わった頃は、F10T、F8Tのみ使いました。

ボルトの破断耐力と許容せん断耐力の計算式

ボルトの破断耐力と、許容せん断耐力の計算式を下記に示します。


長期許容せん断耐力 = Fy/1.5√3×Ab

短期許容せん断耐力 = Fy/√3×Ab

破断せん断耐力 = Fu/√3×Ab


Fyは高力ボルトの基準強度で900N/m㎡(F10T)、Fuは破断強度で1000N/m㎡です。


高力ボルトには、主にせん断力が作用します。高力ボルトに生じる設計用せん断力が、上記のせん断耐力を超えないことを確認しましょう。せん断耐力の意味は、下記が参考になります。

せん断耐力とは?1分でわかる意味、求め方、コンクリートの式、単位

混同しやすい用語

破断耐力

ボルトが実際に破断(切断)するときの極限耐力。

引張強さFuをもとに算定され、安全率を考慮する前の値。

許容せん断耐力に対して、破断耐力は「壊れる直前の上限値」であり、許容せん断耐力はこれに安全率を掛けて設計に用いる値である点が異なる。

許容せん断耐力

設計で用いるボルト1本あたりのせん断力の上限値。

破断耐力を安全率で割って求める。

破断耐力に対して、許容せん断耐力は「設計上使ってよい上限」であり、必ず破断耐力より小さい値になる点が異なる。

ボルトの破断を整理した表を示します。

ボルト種類破断強度備考
F10T(S10T)1000 N/mm2一般的な高力ボルト
F8T800 N/mm2溶融亜鉛メッキ高力ボルト
F11T以上1100 N/mm2以上遅れ破壊のリスクあり・使用回避

まとめ

今回はボルトの破断について説明しました。意味が理解頂けたと思います。接合部をつくるためにボルトが必要です。建築で使う高力ボルトの特徴、破断の意味など併せて勉強しましょう。下記が参考になります。

高力ボルトとは?読み方・種類(F10T・S10T)・規格・摩擦接合の特徴

破断とは?意味・破断強度と引張強度の違い・破断点をわかりやすく解説

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理解度チェック

Q.

ボルトの破断とは?

鋼材であるボルトが破断耐力を超えて破断する現象です。引張破断とせん断破断で原因も対策も異なります。

Q.

ボルトの破断と許容せん断耐力の関係は?

高力ボルトの許容せん断耐力は破断耐力をもとに算定されるため、設計用せん断力がこれを超えないよう設計します。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。

2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。

著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

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