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ボルトの有効断面積は?1分でわかる意味、計算式、軸断面積との違い、せん断との関係

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ボルトの有効断面積(ゆうこうだんめんせき)とは、ボルトのねじ部を考慮した断面積です。高力ボルト接合部の耐力を算定するとき、ボルトの有効断面積が必要です。なお、ボルトの軸断面積を0.75倍した値が、ボルトの有効断面積と考えても良いです。今回は、ボルトの有効断面積の意味、計算式、軸断面積との違い、せん断との関係について説明します。


有効断面積と軸断面積の意味、高力ボルトの有効断面積の詳細は下記が参考になります。

断面積と有効断面積ってなに?ブレースの断面算定

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記事を書いた人

ハナダユキヒロ/建築学生が学ぶ「構造力学」

難解な構造力学、建築構造の用語を分かりやすく解説する専門家。高等専門学校在学中から建築学生が学ぶ「構造力学」を運営。その後、国立大学大学院⇒組織設計事務所⇒弊サイト運営に従事している。

著書:「わかる構造力学/工学社」、「わかる構造力学 改訂版/工学社」

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ボルトの有効断面積は?

ボルトの有効断面積とは、ボルトのネジ部を考慮した断面積です。


ボルトには軸部とネジ部があります。ネジ部は締め付けのため切れ込みが入っており、その分、軸部より径が小さいです。よってネジ部を考慮した断面積は、軸部断面積より小さくなります。


ボルトの有効断面積の計算式は後述しますが、概算では「有効断面積=軸断面積×0.75」で計算できます。※詳細な値は若干違います。設計の実務では、上記の計算を行うことも多いです。


ボルトの軸断面積は下式で計算します。


軸断面積=(π/4)d2


dはボルトの呼び径(直径)です。ボルトの呼び径、有効断面積の意味は、下記が参考になります。

呼び径とは?1分でわかる意味、読み方、内径との違い、φとの関係

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高力ボルトの有効断面積の値は、下記が参考になります。

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ボルトの有効断面積の計算式

ボルトの有効断面積の計算式は、JISB1082に明記があります。下記に示しました。


As = π/4{(d2+d3)/2}2 

As = 0.7854(d - 0.9382 P)2


ボルトの有効断面積1


Asは一般用メートルねじの有効断面積 (mm2)、dはおねじ外径の基準寸法 (mm)、d2は、おねじ有効径の基準寸法 (mm)、d3は、おねじ谷の径の基準寸法 (d1) から、とがり山の高さ H の 1/6を減じた値です。※詳細はJISをご確認ください。


上記の①、②式のどちらかを用いてボルトの有効断面積を算定します。上式より算定された有効断面積の例を下記に示します。


M12の場合

軸断面積=113m㎡

有効断面積=84.3 m㎡


上記のように、有効断面積は軸断面積より小さい値です。また、概算式は軸断面積×0.75でした、113×0.75=84.75なので、近似式としては十分扱えます。

ボルトの有効断面積と軸断面積との違い

ボルトの有効断面積と軸断面積の違いを下記に示します。


ボルトの軸断面積 ⇒ ボルト軸部の断面積。ボルト呼び径がdのとき(π/4)d2が軸断面積の値

ボルトの有効断面積 ⇒ ボルトのネジ部を考慮した断面積。概算では、有効断面積=0.75×軸断面積で計算できる


下記をみてください。ボルトの有効断面積と軸断面積の表を示しました。


ボルトの有効断面積とせん断の関係

高力ボルト接合部の耐力では、有効断面積を用いて計算します。また、せん断接合の耐力計算で、ボルトのせん断面がネジ部にあるときは、有効断面積を用います。


ボルト接合部の耐力は、ボルト張力が関係します。詳細は下記が参考になります。

設計ボルト張力とは?1分でわかる意味、計算、標準ボルト張力、高力ボルトの関係

標準ボルト張力とは?1分でわかる意味、規格、f8tの値、設計ボルト張力との違い

まとめ

今回はボルトの有効断面積について説明しました。意味が理解頂けたと思います。ボルトには軸部とネジ部があります。ネジ部は、軸部より径が小さいです。よってネジ部を考慮した断面積は、軸断面積より小さくなります。これが有効断面積です。詳細な計算式は難しいですが、有効断面積=軸断面積×0.75の概算式は暗記しましょうね。下記も併せて勉強しましょう。

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