この記事の要点
スラブの設計でスパンを「芯々距離」で入力するか「内法寸法」で入力するかによって、スラブ厚の算定結果が変わる。
有効スパンの定義を正確に理解しておかないと、設計の前提が崩れることがある。
この記事では有効スパンの意味・スラブ厚との関係・たわみ制限・片持ちスラブの場合の定義を解説する。
実務では、簡単のため柱芯距離(スパン)を、スラブの有効スパンとすることも多いです。
この記事では、有効スパンとは何か、片持ちスラブとどう関係するのかを整理します。
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有効スパンは、スラブを支持する部材間の内法寸法のことです。実務では、簡単のため柱芯距離(スパン)を、スラブの有効スパンとすることも多いです。今回は有効スパンの意味、スラブ厚、たわみ制限との関係、片持ちスラブの有効スパンについて説明します。
※内法寸法、スパンの意味は、下記の記事が参考になります。
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有効スパンとは、スラブを支持する部材間の内法寸法のことです。下図をみてください。これが有効スパンです。
※内法寸法の意味は、下記の記事が参考になります。
なお、スラブを支持する部材として、大梁、小梁があります。ただし、実務では簡単のため、スパン(柱芯間距離)を採用することも多いです。※スパンの意味は、下記の記事が参考になります。
スパンとは?意味・1スパン・柱芯間距離の目安を図解でわかりやすく解説
特に、小梁の位置は、現場で変更する可能性もあります。有効スパンでスラブ厚や断面を決定すると、梁の位置を移動した際、所定の性能を満たさないケースもあります。
スラブ厚や、断面算定の検定比は、現場の変更を考慮して余裕を持つことを忘れないでくださいね。
スラブの厚みは下記とします。
80mm以上
短辺方向の有効スパンの1/40以上
例えば、有効スパンが3.5mのとき、スラブ厚=87.5mm以上とします。
現在、スラブ厚は150mmが標準です。※スラブの意味、特徴は下記の記事が参考になります。
スラブとは?現役設計者が教える意味、特徴、役割、屋根スラブ、土間
スラブのたわみ制限は下記とします。
長期荷重によるたわみ=有効スパン/250以内
変形増大係数を考慮したたわみ=有効スパン/4000以内
スラブのたわみ制限は、有効スパンの1/250以内です。ただし、クリープなどによる変形増大係数16倍を考慮して、有効スパンの1/4000以内に抑えます。※変形増大係数の意味は、下記の記事が参考になります。
変形増大係数とは?1分でわかる意味、木造、コンクリート、鉄骨の値
前述より、片持ちスラブの有効スパンも、スラブを支持する内法寸法で良いです。ただし、片持ちスラブは1端でしか支えていません。前述した変形増大係数の考慮はもちろん、「鉛直震度」による荷重の割増しを考えます。
例えば、片持ちスラブは存在応力の1.5倍に対して、長期許容応力度を満足することを確認する方法があります。※鉛直震度は、下記の記事が参考になります。
混同しやすい用語
ひずみ
ひずみは断面内の変形の割合で、たわみは部材全体の変位量です。
両者は関連しますが、使う式と意味が異なります。
変位
変位は構造物全体の位置変化を指し、たわみは梁などの部材が曲がる方向(鉛直)の変位です。
有効スパンを整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 有効スパンの定義 | スラブを支持する部材間の内法寸法 | 実務では柱芯距離を使うことも多い |
| スラブ厚との関係 | 短辺有効スパンの1/40以上かつ80mm以上 | 現在の標準スラブ厚は150mm |
| たわみ制限 | 長期荷重たわみ≦有効スパン/250 | 変形増大係数考慮で1/4000以内 |
今回は有効スパンについて説明しました。
意味が理解頂けたと思います。
有効スパンは、スラブを支える支持部材間の内法寸法です。
実務では、柱芯間距離(スパン)を使うことも多いです。
内法寸法やスラブの意味も併せて理解してくださいね。
下記の記事が参考になります。
スラブとは?現役設計者が教える意味、特徴、役割、屋根スラブ、土間
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有効スパンとは何ですか?
有効スパンは、スラブを支持する部材(大梁・小梁)間の内法寸法のことです。実務では簡単のため柱芯距離(スパン)を有効スパンとすることも多いです。ただし小梁の位置は現場で変更する可能性があるため、スラブ厚や断面算定の検定比は現場の変更を考慮して余裕を持たせます。
有効スパンとスラブ厚・たわみ制限の関係は?
スラブ厚は短辺方向の有効スパンの1/40以上とします(例:有効スパン3.5mなら87.5mm以上、現在の標準は150mm)。たわみ制限は、長期荷重によるたわみが有効スパン/250以内、クリープなどの変形増大係数(16倍)を考慮したたわみが有効スパン/4000以内です。片持ちスラブは1端でしか支えないため、鉛直震度による割増し(例:存在応力の1.5倍に対し長期許容応力度を満足)を考えます。
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