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接着系アンカーとは|材質・埋込長さの設計方法をわかりやすく解説

この記事の要点

既存のコンクリート構造物に新しい設備を取り付けるとき、あと施工アンカーの選択が設計の鍵になる

接着系は樹脂が硬化することで定着するため、施工精度と養生期間の管理が重要だ。

この記事では接着系アンカーの意味・材質・施工方法・埋込長さの考え方をメカニカルアンカーとの比較で解説する。

アンカー筋の材質はSD295AやSD345の異形鉄筋で、有効埋込み深さ(le=L-da)を確保する必要がある。

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接着系アンカーをご存じでしょうか。あと施工アンカーの1つで、既存躯体とあと施工アンカーを接着剤により接合する工法の総称です。今回は、そんな接着系アンカーの意味、材質、埋め込み長さなどについて説明します。


※あと施工アンカーについては、下記が参考になります。

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接着系アンカーってなに?

前述したように接着系アンカーは、既存躯体に孔を空け接着剤を詰めます。そこにアンカー筋を差し込んで、躯体とアンカー筋を一体にする工法です。


下図をみてください。接着系アンカーの断面図ですが、躯体に孔を空けて樹脂カプセルを埋め込みます。次にアンカー筋を打撃、回転させ、カプセルごとアンカー筋を埋め込みます。カプセル内の樹脂が孔に溢れてアンカー筋と一体になります。

接着系アンカーの回転・打撃式と打込み式

接着系アンカーには、回転・打撃式と打ち込み式があります。両者とも躯体に空けた孔にカプセルを埋め込みます。回転・打撃式に用いるアンカー筋は、先端部を片側斜め45度にカットし、アンカー筋に回転と打撃を加えアンカー筋を差し込みます。


打ち込み式に用いるアンカー筋は先端部を平先寸切り状として、ハンマーにより打撃して、接着剤と固着させる方法です。

接着系アンカーの種類

工法により分類すると、主に2つです。

1つはカプセル型、2つめは注入型です。

カプセル型は前述した方法です。

注入型は、接着剤を孔に注入する工法です。

また、カプセル型には樹脂の有機系、無機系による違いがあります。

注入型は、接着剤の現場調合式とカートリッジ式の2つがあります。

接着系アンカー筋の材質

下表をみてください。接着系アンカー筋の材質を示しました。

JIS規格番号 規格名称 種類の記号の例
G3112 鉄筋コンクリート用棒鋼 SD295A SD345

アンカー筋は一般の異形鉄筋が用いられ、SD295AとSD345です。

接着系アンカーの埋込長さなど

下表をみてください。これは接着系アンカーの埋め込み長さを示しています。

アンカー筋
呼び径 da 埋込み深さ L 増設壁への有効定着長さ Ln 有効埋込み深さ 全長
D13 8da以上 RC壁補強の場合  20da以上(ナット付き)  30da以上(ナットなし) ブレース補強の場合  6da以上(ナット付き) 有効埋込み深さ(le)  le=L-da 全長  ld=L+Ln+ナット高さ(ナット付きの場合)
D16
D19
D22

有効埋め込み長さは、埋め込み長さからアンカー筋の呼び径を引いた値です。有効長さが満足するように注意しましょう。

混同しやすい用語

接着系アンカー(カプセル型・注入型)

既存躯体の孔に接着剤(樹脂カプセルまたは注入剤)を充填し、アンカー筋と躯体を一体化する工法。

金属系アンカー(拡張型)と混同しやすいが、接着系は接着剤による固定、金属系は機械的な拡張による固定という点で異なる。

金属系アンカー(拡張型)

既存躯体の孔にアンカーを打ち込み、楔(くさび)やスリーブの拡張により固定するあと施工アンカー。

接着系アンカーとの違いは固定原理(接着 vs 拡張)で、耐震補強のRC壁増設では接着系が多用される点を覚える。

まとめ

今回は接着系アンカーについて説明しました。接着系アンカーの仕組みを理解できたと思います。接着系アンカーの詳しい仕組みよりも、接着系アンカーがどういうものか理解できればOKです。金属系アンカーは下記が参考になります。

金属系アンカーとは|材質・埋込長さ・接着系アンカーとの違い

参考文献

既存RC建物の耐震補強と診断

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理解度チェック

Q.

接着系アンカーとは何か。金属系(拡張型)アンカーとの違いは?

答えを見る

既存躯体に孔を空け接着剤(樹脂カプセルまたは注入剤)を充填し、アンカー筋と躯体を一体化するあと施工アンカー工法。金属系が楔・スリーブの機械的拡張で固定するのに対し、接着系は接着剤で固定する点が異なる。

Q.

接着系アンカーの工法による分類は?

答えを見る

カプセル型(孔に樹脂カプセルを埋め込む)と注入型(接着剤を孔に注入する)の2つ。カプセル型には有機系・無機系、注入型には現場調合式・カートリッジ式がある。

Q.

接着系アンカー筋の材質と、有効埋込み深さの式は?

答えを見る

一般の異形鉄筋でSD295A・SD345が用いられる(根拠:JIS G3112 鉄筋コンクリート用棒鋼)。有効埋込み深さはle=L-da(Lは埋込み深さ、daはアンカー筋の呼び径)。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

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