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使用上の支障とは?1分でわかる意味、たわみ、制限、告示、スラブとの関係

この記事の要点

使用上の支障とは、普段の生活で床がたわむ(変形する)こと、です。

よって、使用上の支障が起きないよう、たわみ制限が法律で規定されています。

この記事では、使用上の支障とは何か、たわみ制限の目安はどれくらいか、鉄骨梁・スラブではどう設定するのかを整理します。

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使用上の支障とは、普段の生活で床がたわむ(変形する)こと、です。よって、使用上の支障が起きないよう、たわみ制限が法律で規定されています。今回は、使用上の支障の意味、たわみとの関係、たわみ制限、告示、スラブとの関係について説明します。


※たわみの意味、スラブのたわみは下記が参考になります。

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使用上の支障とは?

使用上の支障とは、普段の生活で建築物を使用したときにおきる「支障」のことです。具体的に支障とは、床の「たわみ」のことです。※たわみの意味は下記をご覧ください。

ひずみとたわみの違いは?1分でわかる違い、関係、求め方


建築基準法では、使用上の支障が起きないように、たわみの制限が規定されています(後述しました)。


床がたわみと生活しづらいですよね。例えば寝室の部屋がたわむと、気になって寝れないし、ダイニングの床がたわむと気になって食事ができません。


上記など、普段の使用に関することを、「使用上」といいます。

使用上の支障とたわみと制限

建築基準法では、使用上の支障が起こらないことを「たわみ制限」によって確認します(もう1つの方法は後述しました)。たわみ制限は、部材の有効長さに対して


1/250以下


とします。例えば有効長さが5000mmの梁があります。このとき、たわみは


δ=5000/250=20mm以下


とするのです。ただし、このたわみ制限は「変形増大係数」を考慮した値とします。変形増大係数とは、将来、増大する変形を見越して設定する係数です。詳細は下記が参考になります。

変形増大係数とは?1分でわかる意味、木造、コンクリート、鉄骨の値

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さて、鉄筋コンクリート梁の変形増大係数は「8」です。よって、前述した「たわみ=20mm」を、実際のたわみに換算すると、


δe=20/8=2.5mm


です。δeを弾性たわみといいます。


また法律上は1/250でよいですが、鉄骨造の場合、1/300が一般的です。またクレーンレール受けや、精密機械などを受ける鉄骨梁は1/800~1/1200など、より厳しいたわみ制限を自主的に設定します。鋼構造計算基準に明記されています。

使用上の支障と告示

使用上の支障に関する告示では、部材の有効長さと部材せいの比率、前述したたわみ制限が規定されています。部材の有効長さと部材せいの比率については、下表をご確認ください。


建築物の部分 条件式
木造 はり D/L>1/12
鉄骨造 デッキプレート版 D/Lx>1/25
はり D/L>1/15
鉄筋コンクリート造 床版(片持ち以外) t/Lx>1/30
床版(片持ち) t/Lx>1/10
はり D/L>1/10
鉄骨鉄筋コンクリート造 はり D/L>1/12
アルミニウム合金造 はり D/L>1/10
軽量気泡コンクリートパネルを用いた構造 床版 t/Lx>1/25

※有効長さは下記が参考になります。

有効長さ(有効長)とは?建築・溶接・梁での意味と使い方


使用上の支障に関する告示は、


告示第1459号


です。


ここでは、使用上の支障が起こらないことを確かめる方法が示されています。前述した、下記です。


・部材のたわみ制限

・部材の有効長さと、部材せい(厚み)の比率の制限


上記の「どちらか」を確認すればよいです。たわみ制限を満たす方が、一般的です。ただし、片持ち床の場合、厚みと片持ち長さの比率を1/10とすることが多いですね。

使用上の支障とスラブの関係

スラブでは、使用上の支障を確認するとき、変形増大係数が16です。この変形増大係数を忘れると大変なことになるので注意してください。スラブの厚みと、スパンの関係は下記です。


片持ち以外  t/lx > 1/30

片持ちスラブ t/lx > 1/10


片持ちスラブは、たわみが大きくなりやすいため、片持ち長さの1/10をスラブ厚とします。例えば片持ち長さが2000mmの場合、スラブ厚は200mmですね。


スラブ、片持ちスラブの意味は下記をご覧ください。

スラブとは?意味・特徴・種類・遮音性・土間との違いをわかりやすく解説

片持ちスラブとは

混同しやすい用語

ひずみ

ひずみは断面内の変形の割合で、たわみは部材全体の変位量です。

両者は関連しますが、使う式と意味が異なります。

変位

変位は構造物全体の位置変化を指し、たわみは梁などの部材が曲がる方向(鉛直)の変位です。

根拠・参考

  • 建築基準法施行令

実務では、設計条件・仕様書・適用する規準により確認してください。

まとめ

今回は、使用上の支障の意味、たわみ制限について説明しました。

たわみ制限は、スパンの1/250です。

また鉄骨造については、鋼構造計算基準より1/300が推奨されています。

鉄骨造の設計をするときは、1/300が基本です。

下記も併せて参考にしてくださいね。

梁のたわみを求める方法|単純梁・片持ち梁の公式と計算手順

RCスラブのたわみ計算|RC基準の計算図表の使い方と算定手順を解説

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理解度チェック

Q.

使用上の支障とは何ですか?

答えを見る

普段の生活で床がたわむ(変形する)ことです。これが起きないよう建築基準法でたわみ制限が規定されています。

Q.

たわみ制限はどれくらいですか?

答えを見る

部材の有効長さに対して1/250以下です(例:有効長さ5000mmなら5000/250=20mm以下)。ただし変形増大係数を考慮した値とし、RC梁は8、スラブは16です。鉄骨造は1/300が一般的で、クレーンレール受けや精密機械を受ける梁は1/800〜1/1200とします。

Q.

使用上の支障を確認する告示と方法は?

答えを見る

告示第1459号で、①たわみ制限、②部材の有効長さと部材せいの比率の制限、の「どちらか」を確認すればよいとされています(たわみ制限を満たす方が一般的)。

Q.

片持ちスラブの厚みはどう決めますか?

答えを見る

t/lx>1/10とし、片持ち長さの1/10をスラブ厚とします(例:片持ち長さ2000mmならスラブ厚200mm)。片持ちはたわみが大きくなりやすいためです。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

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