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重ね梁とは?合成梁との違い・断面二次モーメントの比較・曲げ剛性の計算

この記事の要点

重ね梁とは、複数の梁材を重ねて使う梁のことです。

合成梁(一体化した梁)とは異なり、各梁は独立して曲げ変形するため、断面二次モーメントは単純に足し合わせた値になります。

一方、合成梁は材料が一体として挙動するため、断面二次モーメントが大きくなり、曲げ剛性が高くなります。

木造の重ね梁・合板の重ね使いで検討する場面が多いです。

この記事では、重ね梁とは何か、合成梁とどう違うのか、曲げ剛性はどう計算するのかを整理します。

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重ね梁とは、2本の梁を重ね合わせたものです。2本の梁は重ねただけで一体化されていません。2本の梁を一体化したものを、合成梁といいます。今回は重ね梁の意味、合成梁との違い、断面二次モーメント、曲げ剛性の計算方法について説明します。


断面二次モーメント、曲げ剛性の意味は、下記が参考になります。

断面二次モーメントとは|公式・H形鋼・たわみとの関係

曲げ剛性の基礎知識、1分でわかる意味と計算方法

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重ね梁とは?

重ね梁とは、2本の梁を単に重ね合わせたものです。下図を見てください。これが重ね梁です。

重ね梁

重ね梁は2つの梁を重ねただけで、一体化するような接合を施していません。逆に、2つの梁を一体化するよう接合したものを「合成梁」といいます。下図をみてください。重ね梁と合成梁があります。どちらの方が「強い」と思いますか?


正解は合成梁です。同じ梁断面を用いた場合、合成梁の方が4倍も剛性が高いです。剛性の意味は、下記が参考になります。

剛性とは?変形しにくさの意味・強度との違い・計算式・単位を解説

重ね梁の読み方

重ね梁は「かさねばり」と読みます。合成梁は「ごうせいばり」です。

重ね梁と合成梁の違い

重ね梁と合成梁の違いを下記に示します。


重ね梁 ⇒ 2本の梁を単に重ねたもの。梁2本分の強さとなる。

合成梁 ⇒ 2本の梁が一体化するよう接合したもの。梁2本分以上の強さが得られる。


RCスラブと鉄骨梁を頭付きスタッドで一体化した梁を、合成梁ともいいます。頭付きスタッドの意味は、下記が参考になります。

頭付きスタッドとは|材質・規格(JIS B1198)・合成梁の仕組み


スラブと鉄骨梁による合成梁は、下記の書籍が参考になります。

各種合成構造設計指針・同解説

重ね梁の断面二次モーメントと曲げ剛性の計算

下図をみてください。2本の梁を重ねた、重ね梁があります。幅はb、高さはhです。重ね梁の断面二次モーメントを計算しましょう。

重ね梁の断面二次モーメント

重ね梁は、各梁が単体で力に抵抗します。よって断面二次モーメントは、梁2本分の値と考えればよいです。1つの梁の断面二次モーメントは、


I=bh3/12


なので、2本分の梁(重ね梁)では


2×I=2×bh3/12=bh3/6


です。曲げ剛性とは、ヤング係数と断面二次モーメントをかけた値です。よって、重ね梁の曲げ剛性は、下記です。


Ebh3/6

合成梁の断面二次モーメント計算

下図のように、2本の梁が一体化するよう接合します。合成梁の断面二次モーメントを計算しましょう。2つの梁は一体化されています。よって、1つの大きな梁と考えてIを算定すれば良いです。高さ2h、幅はbなので、


I=b(2h)3/12=8bh3/12=2bh3/3


です。重ね梁と合成梁の、断面二次モーメントを比較しましょう。


重ね梁 I=bh3/6

合成梁 I'=2bh3/3


I'/I=4


より、合成梁の方が重ね梁より4倍も強いことが確認できました。

混同しやすい用語

重ね梁

2本の梁を単に重ねただけで一体化していないもの。

各梁が独立して曲げに抵抗するため、断面二次モーメントは各梁の和になります。

合成梁

2本の梁を一体化したもの。

一体として曲げに抵抗するため、断面二次モーメントが重ね梁の4倍になります。

重ね梁と合成梁を整理した表を示します。

項目内容備考
重ね梁の断面二次モーメントI=bh3/6(2本分)各梁が独立して抵抗
合成梁の断面二次モーメントI=2bh3/3(一体化)重ね梁の4倍の剛性
主な違い梁の一体化の有無接合方法が重要

まとめ

今回は重ね梁について説明しました。

意味が理解頂けたと思います。

重ね梁は、2本の梁を単に重ねたものです。

合成梁との違いを理解しましょう。

また、断面二次モーメントの計算方法も覚えてください。

難しくは無いです。

考え方を勉強しましょうね。

下記の記事も参考にしてください。

断面二次モーメントとは|公式・H形鋼・たわみとの関係

曲げ剛性の基礎知識、1分でわかる意味と計算方法

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理解度チェック

Q.

重ね梁とは何か、合成梁との違いとともに説明してください。

答えを見る

重ね梁とは、2本の梁を単に重ね合わせ一体化していないものです。各梁が独立して曲げに抵抗します。合成梁は2本の梁を一体化するよう接合したもので、一体として曲げに抵抗します。

Q.

重ね梁と合成梁の断面二次モーメントをそれぞれ求めてください(幅b・高さh×2本)。

答えを見る

重ね梁は各梁が独立して抵抗するため2本分の和で I=2×bh3/12=bh3/6 です。合成梁は高さ2hの1つの梁とみなし I=b(2h)3/12=2bh3/3 です。

Q.

同じ断面で重ね梁と合成梁の剛性は何倍違いますか。

答えを見る

合成梁が重ね梁の4倍の剛性です。I'/I=(2bh3/3)/(bh3/6)=4 となり、一体化した合成梁の方が4倍曲げ剛性(EI)が高くなります。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

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