この記事の要点
境界梁とは、耐震壁の両端または上下に配置される梁で、連層耐震壁の基礎の浮き上がりを抑制します。
境界梁は曲げ戻し効果によって耐震壁の曲げ剛性・耐力を向上させ、耐震性能の向上に貢献します。
この記事では、境界梁とは何か、連層耐震壁とどう関係するのかを整理します。
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境界梁とは、耐震壁に接続する大梁のことです。境界梁は、連層耐震壁の基礎の浮き上がりを抑える効果があります。
今回は境界梁の意味、効果、曲げ戻しや連層耐震壁との関係について説明します。※連層耐震壁の詳細な意味は、下記が参考になります。
また、耐震壁の意味は下記が参考になります。
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境界梁とは耐震壁に接続する大梁のことです。下図をみてください。これが境界梁です。
連層耐震壁を配置する建物では、境界梁を設けます。※連層耐震壁の意味は下記が参考になります。
また、境界梁はせん断破壊が起きないよう設計します(端部に曲げ降伏が生じる設計を行う)。※せん断破壊と曲げ破壊の意味は下記が参考になります。
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境界梁は、連層耐震壁の基礎の浮き上がりを抑える効果があります。
専門的に言うと、境界梁に生じる曲げモーメントおよびせん断力による、曲げ戻しの効果です。
専門的なことを知らなくても、下図を見れば境界梁が浮き上がりを抑える効果があることを理解できます。
下図を見てください。連層耐震壁だけの構造です。耐震壁は剛性が大きいので、沢山の力が集中します。※剛性の意味は下記の記事が参考になります。
剛性とは?変形しにくさの意味・強度との違い・計算式・単位を解説
大きな力が作用するので、引き抜かれる力も大きいです。
次に下図をみてください。連層耐震壁の左側に、梁をつなぎました。水平力により、壁が左から右へ移動するのを、梁が「引っ張る」ことで、抑えられていると思いませんか。
次に、連層耐震壁の右側に梁を繋ぎました。壁が右側へ倒れようとする動きを、梁が抑えてくれます。
連層耐震壁は、基礎の浮き上がりが問題になることが多いです。上記の境界梁効果を利用して、基礎の浮き上がりを抑えます。
境界梁には、曲げモーメントおよびせん断力が生じます。この大梁に生じる曲げモーメントは、連層耐震壁に曲げ戻しのモーメントが作用することで、釣り合います。
混同しやすい用語
連層耐震壁(れんそうたいしんかべ)
複数の階にまたがって連続する耐震壁で、水平力に対する剛性・耐力が非常に高い構造要素です。
連層耐震壁は複数階を貫通する高剛性の耐震壁であるのに対して、境界梁は連層耐震壁の上端(最上階)に配置し、過大な引張り力による浮き上がりを防ぐための梁であり、補完的な関係にあります。
耐力壁(たいりょくかべ)
水平力(地震力・風圧力)に抵抗する壁体の総称で、ラーメン構造の開口部に設ける耐震壁を含みます。
耐力壁は水平力に抵抗する壁体全般を指す広い概念であるのに対して、境界梁は連層耐震壁(耐力壁の一形式)の上端に特定の目的(曲げ戻し・浮き上がり防止)で設ける梁部材を指します。
境界梁を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 定義 | 耐震壁に接続する大梁 | 連層耐震壁に配置 |
| 効果 | 連層耐震壁の基礎浮き上がりを抑制 | 曲げ戻し効果による釣り合い |
| 設計上の注意 | せん断破壊が起きないよう設計(端部曲げ降伏形) | せん断破壊は機能低下に直結 |
今回は境界梁について説明しました。意味が理解頂けたと思います。境界梁は、連層耐震壁に接続する大梁です。
境界梁の効果を覚えてください。併せて、連層耐震壁の特徴も理解しましょう。下記の記事も参考になります。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
試験では境界梁の役割(浮き上がり防止・曲げ戻し)と連層耐震壁との関係が問われます。
境界梁のせん断破壊は連層耐震壁の機能低下に直結するため、曲げ・せん断の両面での設計が必要です。
耐震壁・連層耐震壁・境界梁の一連の概念を図で理解すると、耐震設計の問題に対応しやすくなります。